私の中庭(コートハウス)論

  • 2018.10.02 Tuesday
  • 17:13

コラム 「私の中庭(コート)論」 「中庭(コート)のある家」のデメリットといわれることについて (3) 第十二回

 

この回では、前回デメリットで上げた◆銑イ泙任旅猝椶鮴睫世靴討います。どのデメリットも設計の工夫によって解消できます。

 

∧震矛曽が凸凹になるため建物の強度が得にくい。

私の考えは、どんなに良い建物でもそのために、建物の構造が弱くなってしまうのは、論外です。また建物は一般に正方形や長方形の形が構造的に強いと言われますが、室内の間仕切りや、構造壁のバランスが悪ければ、地震には弱い建物になってしまいます。

L型やロ型であっても、壁量のバランスを考え、壁、梁の補強やL型の場合は地中梁繋げたり、梁を回して強度のバランスを取れば強度が落ちる心配はありません。

 

F粟が長く、複雑になる

私の経験から、中庭(コート)のある家を作っても、動線が複雑になることはありません。それは悪い事例を取り上げている

のではないかと思います。どんなに魅力的な中庭(コート)を作っても動線が複雑になっては、家族の会話やスキンシップが

取れない事態につながっていきますのでいい結果にはなりません。私の設計の場合は、限りなく廊下0(ゼロ)に近い間取り

を心がけています。従って間取りはシンプルです。廊下が多くなるとコスト的に無駄であるばかりでなく、どうしても家族の

気配が分かりにくくなり、家族のコミュニケーションも取りにくくなってしまいます。

リビングダイニングルームを中心とした空間を、無駄な空間を作らずどうつないでいくか、設計のポイントになります。

 

っ翊蹐北明僂鮖箸Δ燭瓠居住スペースが小さくなりやすい

内容はと一部重複しますが、中庭(コート)を作ることによって居住空間が減ることは全くありません。前にも記載したように中庭(コート)を作る場合、建蔽率を守ったうえ建物を隣地境界線に接近させることによって、中途半端なスペースをなくし

空地は全て中庭に生かそうとする建て方ですので居住スペースが小さくなることはありません。必要な居住面積を確保しつつ中庭をどう生み出していくか、設計の工夫のしどころです。

 

チ襪大きくなるので、断熱性能が落ちやすい

住まいの快適さは、風通し、居心地の良い間取り、気密性など全体のバランスの上に成り立っています。快適さや空間の豊かさを実感できる、吹き抜けやトップライト、そして窓の大きさにしても、熱損失をカバーし断熱性能を上げる断熱サッシや床暖房、通風計画など設計の方法によって解決できますので心配はありません

 

上記の説明では十分ではなかったかもしれませんが、私にとってはデメリットといわれることは、デメリットと感じません。

建築ばかりでなく、どんなものでもメリットとデメリットは背中合わせにありますが、住まいの場合は、デメリットに

なりやすい部分を理解しながら、設計の方法や工夫によって中庭(コート)のメリットを最大限に生かす設計が求められるように思います。

※ デメリットの項目でさらに詳しく知りたい場合、またご質問があればお答えしますので、メールにてご連絡ください。

※ 次回はまとめとして、再度「中庭(コート)のある家」の魅力を考えてみたいと思い案す。

 

私の中庭(コートハウス)論

  • 2018.09.19 Wednesday
  • 17:23

コラム 「私の中庭(コート)論」 「中庭(コート)のある家」のデメリットといわれることについて (2) 第十一回

 

この回では、中庭(コート)ある家のデメリットといわれる項目について、述べていきたいと思います。

 主なデメリット

 ヽ以匹多くなるため、建築費用が上がる。

◆(震矛曽が凸凹になるため建物の強度が得にくい。

 動線が長く、複雑になる。

ぁ|翊蹐北明僂鮖箸Δ燭瓠居室スペースが小さくなりやすい。

ァ〜襪大きくなるので、断熱性能が落ちやすい。

 

上記のデメリットは、インターネットに掲載されている数社からピックアップしたものです。結論から言いますと 銑

においては、設計者と施工者のレベルが高ければ解決できる項目ばかりです。少し難しい言い方になってしまいますが、

在来の建て方ならば、仮に建築がお粗末でも庭の植栽などによって住居全体の質をカバーできる部分もありますが、

中庭(コート)のある家は、敷地全体に親密度が高まるため、デザイン密度や建築の質を上げることが求められます。

従って設計者選びに失敗すると、デメリットといわれる項目が、現実的なものになってくると思います。それだけ設計者の

実力が問われるといってもいいと思います。

,魯妊瓮螢奪箸涼罎任睇頭格のようですし、お客様にとって最も心配な所です。少し長くなりますが、説明しますと

家の総工事金額は、大きく分けると、構造、基礎といった躯体工事、造作、内装、設備、外構工事に分けられます。

中庭(コート)があるL型、ロ型といっても一般の建物とくらべて技術的に難しい訳ではありませんから、大工さんを含めた

職人の手間は、面積が同じであれば、特に変わりません。また凸凹があって、外壁の面積が増え壁材が増えたところで

それほど大きな金額にはなりません。むしろ中庭(コート)を採用することによって、金額が減額になる部分もあります。

もともと中庭(コートハウス)のある家の設計は、敷地いっぱいに建てることにより、中途半端な空地をなくし、空地はすべて

中庭(コート)として生かそうとする発想です。従って隣地境界いっぱいに建てますから、玄関に面する以外の塀工事は

不要になります。その結果、私の事務所では総工事金額では中庭(コート)のある家が一般の家より建築コストが高い

ということはありません。

 デメリットとして建築費用が上がると指摘するなら、中庭(コート)のある家にすることによって、不要になる工事、

  減額になる項目も同時に取り上げないと、建てる方の不安を煽るだけになってしまい片手落ちではないでしょうか。

  塀のほか、隣地境界に接する壁面には、最少の風通しや換気の窓しか設けませんので、その分金額は抑えられます。

     建築工事金額が上がることを心配されて、中庭(コート)ある家に魅力を感じながら、断念する方も多いのですが、

  心配なく挑戦してもらいたいものです。悩んでいる部分があれば、ご相談ください。

 

,寮睫世長くなりました。◆銑イ麓_鵝第十二回として掲載します。

 

 

  

  

 

 

私の中庭(コートハウス)論

  • 2018.09.10 Monday
  • 15:58

コラム 「私の中庭(コート)論」 「中庭(コート)のある家」のデメリットといわれることについて  第十回

 

これまで第一回から中庭(コート)のある家の素晴らしさを、物理的(陽当たり、風通し、明るさ)なメリットと

精神的(家族の気配、癒しの場、居場所、精神の安定)な役割について述べてきました。しかし、一方中庭(コート)

のある家に住みたいと思いながら、あきらめてしまう方も多いようです。その理由は敷地が狭いという理由のほか、

ネットで「中庭のある家」を検索すると、メリット(長所)とデメリット(短所)が掲載されておりデメリットを気に

してしまうことが多いようです。中でも一般の家より中庭を作ると、建設コストが上がるということが不安で、

という理由が多いようですが、とても残念でもったいない気がします。

どんな家の建て方でも、メリットとデメリットは背中合わせにあるものです。情報があふれるこの時代は、ネット

で書かれていることもあくまでも一般論です。設計の工夫や考え方によって、デメリットがメリットに変わったり

回避する方法や、極力小さくすることは可能です。そのうえでメリットを最大限生かすことができる計画をすべき

なのです。

一般的にインターネットでデメリットといわれる項目をピックアップして見ました。分かりやすく大きく分けると、

コスト、平面プラン、メンテナンスの項目に分けられるようです。コストはもちろん建築金額のことですし、

平面プランは生活動線や間取りのこと。そしてメンテナンスは維持管理のことです。それぞれ一般の建物から比べると

デメリットと指摘されていますが、本当にそうでしょうか。次回は項目別にデメリットといわれる部分を考えて

みたいと思います。

 

※ 次回は今週中に掲載したいと思います。

 

 

 

私の中庭(コートハウス)論

  • 2018.08.31 Friday
  • 16:23

コラム 「私の中庭(コートハウス)論」 二世帯住宅・同居と中庭(コート) (3) 第九回

 

単体家族、二世帯住宅や個人の領域を考えたとき、中庭(コート)は、暮らしの中で実に多くのステージを提供

します。中庭(コート)を通じての交流、触れ合いはお互いの距離感を見つけていきます。中庭にどんな要素を

もたせるか、その家族によって異なりますが、ここではその利用事例をあげてみます。

ぜひ自分の家族にとってベストの利用方法を考えていただければと思います。また中庭(コート)は室内の部屋

と違い、家族のライフスタイルや家族構成の変化によって、容易に変えることができますので、家族と考え

変えていく作業も楽しいでしょう。

記念樹 

両親、夫婦、子どもと一緒に植える記念樹。樹の成長とともに家族も成長していく。記念樹はどの部屋からも見え、

思い出に残り、家族共通の話題を提供します。花や実がなる樹ならなお楽しいかもしれません。

縁側空間

かつての縁側は外と内の境界域。外でもなく内でもない中間的なスペースであり、近隣とのコミュニケーションの

場であり、日常生活の中で子どもたちとお年寄りが自然に触れ合う場でもありました。設計の工夫によって縁側と

同じような役割を中庭(コート)に求めることもできます。

家庭菜園

丹精込めて作る菜園は作る人の生きがいになるかもしれません。(たとえば、おばあちゃんが作った野菜など。)

収穫されたものを家族みんなで食べれば会話がはずみ、家族の絆も深まります。家族全員から見守られている

ということが大切です。

多様性と可能性

囲われた中庭は安心できる半外部空間。三世代揃っての食事、バーベキュー、近隣や友人を呼んでの接待、子ども

との水遊び。時間と空間を共有しているという安心感があり、活用の仕方によって相互の理解を深め、たくさんの

楽しさを演出できます。

居場所、癒し空間

住まいに無目的な自然の中庭(コート)があることは、住む人の心に余裕が生まれます。様々な状況やその時の気分

によって自由に使うことができる。一人の読書、コーヒータイム、趣味を楽しむ場、アスレチック、ヨガ、等。

自己確認や生産の場、そして様々なストレスを癒す場として有効なはずです。

 

※ 27日(月)掲載の予定が本日になってしまい申し訳ありません。次回第十回は来週掲載予定です。

 

 

 

 

 

 

私の中庭(コートハウス)論

  • 2018.08.22 Wednesday
  • 13:03

コラム 「私の中庭(コートハウス)論」 二世帯住宅・同居と中庭(コート) (2)  第八回

 

寓話(ぐうわ)でヤマアラシノジレンマという話があります。 「ある寒い日に一組のヤマアラシがお互いに身体を暖め

合っていた。ところがお互いの棘が刺さり痛い、でも離れると寒い。こうしたことを繰り返しているうちに痛くもなく、

寒くもない、距離を見つけていく。」というお話です。この寓話は、物理的な距離から生まれる人間関係や、個人対個人

の心理的距離を、どううまく作るのかという、二世帯住宅に住み始めるにあたって、様々な示唆を教えてくれます。

二世帯住宅のもう一つの面は、お互いが経済的合理性を求めた妥協案という側面もあります。従って三世代が限られた

空間に住めば、小さな感情のぶつかり合いは避けられず、別々に暮らしていたほうが、お互い良かったなどというケース

も結構多いようです。なまじ血縁であるだけに、抜き差しできないところに追い込まれ、不幸な家庭にしてしまうケース

も多いのです。

二世帯住宅がうまくいく理想的な平面プラン(間取り)はありません。その家族によって事情が全て異なります。家族の

状況に合わせて、その家族に最もふさわしい住まい方とその舞台をつくりあげるしかありません。

二世帯住宅を成功させるのは、私は三つの要素が必要と考えています。ひとつは平面プラン(間取り)の検討。自分の家族

にとって二世帯住宅はどんな間取りがいいかをよく検討する。これは簡単なようでとても難しい作業と思いますが、

陽当り、風通し、家族の気配、が分かることを軸に各部屋のつながりや、広がりのある空間を考えていきます。

二つ目と三つ目は、いわゆるソフトウエアといわれる部分で、いくら陽あたりや風通しが良くてもソフトの部分がうまく

機能しなければ失敗に終わります。親夫婦、子供夫婦の間でお互いが理解しあえるまでしっかりと話し合い、家の使い方

まで突っ込んだルールをつくりうまくいくよう工夫していくことが大事です。中庭(コート)のある家は、上手に使うことに

よって、親世帯と子世帯の緩衝的な役割を持ち、様々な生活のシーンによって、居場所の提供、個人の精神的癒し空間

としてとても有効な空間になるはずです。

二世帯住宅がうまくいくために上記の要素を網羅することは、はじめて家づくりをする家族にとって、ハードルが高く

無理ですので、建築家との共同作業は必要と考えます。

 

※ 次回は二世帯住宅の中庭(コート)はどんな役割や楽しみ方ができるかを考えます。8月27日(月)掲載予定。

  「私の中庭(コートハウス)論」第八回は21日掲載予定でしたが、本日になってしまいました。お詫び申し上げます。

 

 

 

私の中庭(コートハウス)論

  • 2018.08.10 Friday
  • 11:14

コラム 「私の中庭(コートハウス)論」  二世帯住宅・同居と中庭(コート)  第七回

 

二世帯住宅の設計

いちがいに二世帯住宅といってもその形態は様々です。親世帯と子世帯との間でどこまで分離し、共有するか

よって、二世帯住宅の性格付けが分かれます。たとえば夫婦の寝室、リビングダイニングキッチンは別々にし、

その他は共有の場合と、寝室、浴室、洗面洗濯は別々にし、その他は共有の場合とは、人間関係も家族の距離

の取り方も大きく異なってきます。いずれにしても二世帯住宅の設計は間取りにおいては一緒に暮らすことが、

お互い違和感を感じず、暮らしが一体になれる人間関係を、どう一つの家の中に作っていくかが、設計の要点

になります。二世帯住宅の場合、中庭(コート)を設計に取り入れるとしたら、どんなメリットがあるのか、

ハードウェア的な面と、ソフトウェア的な面から、二回に分けて考えてみたいと思います。

在来型の家で最も多い間取り(平面プラン)は,nLDK型(nは部屋数)の間取りです。玄関に入ると廊下があり、

両サイドに部屋が並ぶといった、中廊下型の住まいで、現代のほとんどの家がこんな描写の中に納まっています。

昔も今も、陽あたりと、風通しは、日本における健康な家づくりのキーワードです。そのことが分かっていながら、

陽があたらず、風通しも悪い中廊下型の住まいを選択してしまうのはなぜでしょうか。

この中廊下形式で二世帯住宅を考えると、独立された部屋は、ドアを閉めれば家族の気配は全く分からず、室内の

風通しを悪くするばかりでなく、これでは人と人、家族の心と心の風通しをも妨げてしまいます。

中庭(コート)をもった二世帯住宅ならどうでしょうか。

中廊下を無くし、リビング、ダイニングを含めそれぞれの部屋を全て中庭に開口部を持つようにします。

間取り的にはそれぞれの部屋とリビング、ダイニングをどうつないでいくか、そのことによって「広がりのある空間」

をつくり出していきます。どの部屋も明るく風通しがよい住まいが実現します。そして、中庭(コート)を通して

家族関係で大切な、姿が見える。声が聞こえる。様子がわかる。が可能になり、たとえ会話を交わしていなくても、

お互いの理解度は深まります。

二世帯住宅において三世代が一緒に暮らす以上、トラブルの種はいくつも生じるはずです。そんな紛争の種を

できるだけ減らす、住まい方の工夫や、役割も中庭(コート)はもっていると考えます。

次回は中庭(コート)自身が陽あたり、風通し、のほかにどんなメリットがあるか、考えてみたいと思います。

 

※ 次回「二世帯住宅と中庭(コート)」 (2)は、夏休みをいただき、8月21日(火)に掲載予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

私の中庭(コートハウス)論

  • 2018.08.07 Tuesday
  • 16:04

コラム 「私の中庭(コートハウス)論」  第六回 「夫婦と中庭(コート)」 (2)

 

Sさんにとっての中庭(コート)

私の設計した「中庭(コート)のある家」に住んでおられるSさんのお話です。Sさんの住まいは、玄関に入ると

長いベンチがあって、目の前のインドアの中庭には、3M以上の竹が植えられています。

職業はIT関係でとても忙しく、帰りもいつも11時過ぎで、会社では常にストレスにさらされている状態だ

そうです。Sさんは帰ってくるとしばらくの間、ベンチに座って竹林の先の夜空を見上げるのだそうです。

ある夜は、月の光やその光が竹の林に降り注いでいるのをじっと見上げていると一日の疲れや、ストレスも

癒され、優しい気持ちになるということです。

Sさんにとって中庭(コート)は、気持ちを切り替え、明日の再生産の場として、とても大切な居場所であり、

なくてはならない場といわれています。

 

中庭(コート)空間  大人が求める居場所

夫が住まいに求めているものと、妻が住まいに求めているものは当然異なりますが、共通しているのはともに

「家庭の中に自分のスペースがほしい」、「自分一人になれる場所がほしい」ではないでしょうか。

言い換えれば、自分自身の居場所の確立を望んでいるともいえますが、住まいの中にどこにも見いだせない

現状がストレスを生んでいます。

子どもが求める居場所は、成長過程で親が居場所を見つけてあげなければなりませんが、大人は家づくりの

段階で、どんな暮らしを展開しようとするのか、どんな家族関係を築こうとするのかを考え、また夫婦が

それぞれの居場所を含めた検討をしておくべきなのです。夫婦を結ぶ絆それが[住まい]なのだと思いますが、

現実はあまりにも安易に住まいを考え、家づくりをしているような気がします。

 

中庭(コートハウス)の歴史は当初自然の猛威から身を守るため、防壁や部屋で囲んで真中に中庭(コート)をとった

形態が発祥でしたが、現代は都市住宅の置かれている環境悪化や、個人の自立、そして囲まれて自分一人に

なれる機会に恵まれるためストレスから逃れる場として中庭(コート)は有効に働くのではないかと考えます。

 

※次回の「私の中庭(コートハウス)論」 第七回「二世帯住宅・同居型と中庭(コート)」は8月10日に掲載予定です。

 

 

 

 

家族と中庭

  • 2014.03.31 Monday
  • 12:36

『家族と中庭』 子供と中庭」 子供にいつまでも残してやりたい年中行事。中庭で復活


日本には春夏秋冬という四季があり、それぞれの季節にふさわしい、暮らしにとけこんだ歳事、年中行事があって大切にされてきました。

しかし、近年生活が便利になり、家族も忙しく、季節を味わったり、年中行事の意味を考えることも無くなりつつあります。

簡素化されつつある年中行事ですが、住まいから縁側、土間、床の間などが無くなり、合理的な2LDKや3LDKではやりたくてもその場が無いということもあるかもしれません。

誕生日、家族旅行、クリスマス、バレンタインデーといったイベントは年中行事として今日習慣化し定着していても、正月、節分、七夕、盆、月見といった伝統的な年中行事とは意味合いが異なります。


子供が家族とともに四季を感じ、日本の風習、伝統を肌で感じ取ることは、豊かな感受性や創造性を育む大切なことでもあります。

『中庭』空間があれば、七夕には中庭に大きな竹を入れ、短冊に願い事を書き、たくさんの子供達と楽しんだり、秋のお月見には中庭にススキやお団子を飾り家族中でお月見をしたり、様々な演出や工夫が可能です。

そんな思い出は、子供の記憶に家族と過ごした幸せな時間として、いつまでも残っていきます。


『中庭』空間が住まいの中にあることが、暮らしに豊かさとゆとりになっていきます。

   

 

 

家族と中庭

  • 2014.03.27 Thursday
  • 17:00

「家族と中庭」  『子供と中庭』    協調性や豊かな創造性を育(はぐく)む中庭


現代の戸建住宅やマンションには、かつての時代のような縁側、床の間、屋根裏部屋、縁の下といった空間はありません。  無いというより戦後アメリカのモダンリビングの影響や土地の高騰そして経済効率主義優先で排除されたといってもいいでしょう。

しかしその後の検証で、不要な空間として無くなってしまった空間が、実は子供の成長にとってとても大切な空間であったことが明らかになっています。


京都大学名誉教授の会田雄次氏は、著書で子供の成長と住空間について次のことを記しています。要約すると

アメリカのある高校で勉强が出来る優秀な学生を集め、育った住宅についてのアンケート調査をした結果の話です。

勉强は優秀だが協調性や創造性が欠如しているタイプの学生は、共通して住んでいる家は合理的なムダのない空間、つまり日本のnLDK住宅のような家で育ったといいます。

一方優秀でかつ協調性や創造性豊かな学生の育った家は、小屋裏部屋や地下室といった、一見ムダとも言える空間がある家で幼年時代を過ごしたといいます。

また会田氏はこうも記しています。都会に育った子供と田舎で育った子供を比較して、田舎で育った子供のほうが概してユニークで個性豊かな子供が多いのは、少なからず、住まいの環境が都会と比べ豊かだからだろうという言い方もしています。

現代の住まいに縁側や屋根裏空間をそのまま作ることは無理だとしても、住まいの中に組み込む中庭は、十分子供の協調性や創造性を育む空間として機能すると考えています。

「中庭」は寝室、子供部屋といった用途が固定された部屋と違い、家族の成長やライフスタイルによってまた子供の成長過程によって自由に変えることが出来るフレキシブリ性を持っています。そのフレキシブル性が今後の住まいにとってとても大切な要素です。

また中庭は『子供と中庭』で記したように精神的及び情緒の面で様々な効用がありますが、中庭の効用として、さらに協調性や創造性を育むことを合わせて考えれば、『中庭の設計』のあり方ももっと検討されていい空間だと考えます。







 

家族と中庭

  • 2014.03.24 Monday
  • 16:34

『家族と中庭』 

敷地は狭小の方向をたどり、隣家と軒を接して建てざるを得ない現代の住宅環境。

その中でプライバシーを確保しながら自然を呼び込み、室内と戸外が一体となった豊かな住空間を得ようと思う時、中庭は今日最も有効な設計手法のひとつと言えます。

中庭は快適さや機能の面が語られることが多いのですが、家族の側から中庭を見た場合どうなのかを何回かに分けて考えていきたいと思います。


「子供と中庭」  子供の目線から中庭を考えたことがありますか。

家の設計で中庭を取り入れるかどうかは親の判断によりますが、成長過程の子供にとって中庭がどんな役割をはたすかはほとんど考えられた事はありません。

子供の目線になって中庭を考えた時、様々な側面が見えてきます。 参考にして下さい。


・家族と(親)といつも繋がっているという安心感。

子供室から中庭を通してリビングやキッチンの親の姿や気配が分かり精神的な安心感がある。 

・中庭は子供にとっての居場所になる。

閉鎖的な現代の住まいで、勉强に疲れたり気分転換したい時、中庭空間はほっと出来る場所。

・中庭は子供が成長後、家の記憶として心の寄りどころになる。

幼い日中庭で親と遊んだ、砂遊び、水遊びは愛された思い出としていつまでも心に残ります。

・中庭の樹木や花は親子のコミュニケーションを生みます。

中庭の樹木の成長や季節の花、お月見は親子の会話を生み、家の愛着と心の優しさを育みます。


上記のことは私が様々な年代の家族の中庭を設計している中で見えてきたことでもありますが、ただ単純に中庭をつくればいいというものではなく、家族像をしっかり読み取った上での中庭設計が大切だと考えています。





 

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