京都 宮脇 壇 ドローイング展 

  • 2019.04.26 Friday
  • 13:28

京都 『 宮脇 壇 ドローイング展・シンポジューム 』

 

以前のブログで、私の好きな建築家の一人に、吉村順三氏を挙げたことがありますが、吉村さんのお弟子さんの一人でやはり住宅設計の名手、宮脇壇も好きな建築家です。吉村さんはほとんど著書を残しておりませんが、宮脇さんは住宅や旅の本などたくさんの著書を残しております。私はほとんどの著書を読んでいますが、宮脇さんは残念ながら62歳で1998年に逝去されました。

今回の企画展は、写真のようにエスキース、スケッチなど自らの手で描いた図面が展示されていました。

シンポジュームも開催され、元所員の方や親交のあった方などが、建築家 宮脇壇氏の作品や魅力を語ったりとても意義深いシンポジュームでした。

宮脇さんは自身の建築思想と異なるハウスメーカーや住宅産業と、住宅作品や著書で戦い続けた人でもありましたが、作品の中に込められた家族の優しさがあふれた住宅作品を、作り続けた建築家でした。

彼がよく使った言葉に『かっこうが良ければすべてよい』とか『家の中から向うに自分の家が見えるのは楽しい』などがあります。家の中から向うに自分の家が見えるというのは、すなわち「中庭のある家」をさしています。宮脇さんの作品群の中に「中庭」を取り入れた作品も多くあります。都市住宅のあるべき姿や家族が楽しく暮らす器としての設計手法として、『中庭のある家を』思考していたのだと思います。そんなことも建築家 宮脇壇が好きな理由です。

映画 「 福島は語る 」

  • 2019.03.11 Monday
  • 13:13

ドキュメンタリー映画 「福島は語る」  土井敏那 (監督・撮影・編集)

 

東日本大震災から、今日3月11日で早8年が過ぎました。政府の復興支援が順調に進んでいる報道や、2020年の東京オリンピックで盛り上がっている現実があります。 そして被災があった地域やその実態はともすれば記憶が薄れがちなこの頃です。

 昨日 新宿 K,s cinema で映画「福島を語る」を観てきました。この映画は土井監督が100人を超える証言者の中から選んだ14人の方の証言を映像にしたものでした。福島第一原発事故後、故郷を追われ、家も仕事も失い、家族離散など。

 深い心の傷、痛み、生きがいや心の支えを失った喪失感など、証言者の口から語られます。観ていてとても切なく、言葉が出ませんでした。

「故郷とは何か」「家とは何か」「家族とは何か」「人間の尊厳とは何か」「幸せとは何か」 深く考えさせられる映画でした。

 

 

「京都陶板美術館」 陶板名画の庭    建築家 安藤忠雄 氏設計

  • 2014.01.14 Tuesday
  • 13:11
 2014年新年になって始めての、ブログです。

出張や旅行で年間様々な建築作品をを見るのですが、本年最初に尋ねたのが安藤忠雄氏が1994年に設計した、「京都 陶板美術館」(京都府立陶板名画の庭) です。

これまで何回か見に来て入るのですが、何回見ても力強いフォルムと繊細さに感動します。







一層分下がった展示ブースは、水の流れ落ちる音が大きく聞こえます。そそり立ったコンクリートの巨大な壁面に、ミケランジャロ作の「最後の審判」の陶板(1430✕1309)が設置されています。
時刻が夕暮れだったせいか夕陽と柱や梁の影が織りなす光景は、日中と異なるすごみのある雰囲気でした。


2014年、今年も精一杯建築を頑張ろうと思います。 どうぞよろしくお願いします。

I 邸 スケルトン・リフォーム工事

  • 2010.06.24 Thursday
  • 06:43


文京区の日当たりの良い高台に I さんご家族は家を購入されました。

地下1階、地上2階、とロフト階がある建物で、全面リフォームです。

リフォームの場合は既存の建物の構造や設備をを把握し、様々な要望をどこまで実現することが出来るかを考えます。 またリフォーム後には現在の建物より、耐震や気密性も向上させなければなりません。

従って私の事務所の場合、新築の設計より時間をかけ結果として設計図の枚数も多くなります。

事務所で数回の打合せの後、現地のリフォーム前の室内を見ながら、ご家族と打合せを重ねました。
平面プランの概要も決まり、今日が室内での最後の打合せで今週から内部解体工事が始まります。

I さん家族の要望と工事の概要をまとめると下記のようにかなり大規模なリフォームになりました。

・ 全てスケルトンにし全面リフォーム。 ・ 家の中に吹き抜けを作り中庭を設ける。 ・ 地下1階から2階までエレベータの設置。 ・ 屋上にルーフバルコニーをつくる。 ・ 窓やトップライトから部屋の隅々までの明るさと通風の確保。

次回写真掲載します



















F 邸 平面図ができるまで  二世帯住宅の家 

  • 2010.06.18 Friday
  • 07:31


二世帯住宅 4  希望条件 『中庭のある家』

Fさんご夫婦は、これまで多くの時間をかけて理想の家づくりを考えてきた事が、 頂いた資料で分かります。

特に奥様はインテリアセミナーにも通い、10年以上住まいの情報を集めていましたので、家族の明確な暮らしのイメージをお持ちでした。

下記の写真のように新聞の切り抜き、メモ、雑誌の写真など膨大な資料でした。
Fさん家族が長い間考えた理想の家の設計を、多くの設計事務所の中からご縁があったことに、責任の重さを感じます。

これからの設計作業は、これまでの打合せと、頂いた資料、そして敷地の状況を見ながら私なりの暮らしの家族像を描き、平面図の中に落とし込んでいくという大事な作業になります。


土地を見に行った時どんな想いを持つのか、設計をする方によって様々ですが
私の場合は

・その土地が持つ風土性や秩序、そして独特な匂いや街並の考察

・近隣の建物の状況や将来どのように変わるか変容の予測。

・敷地の周辺を歩き、地域の歴史や住んでいる方の年齢層など様々な事を、これまでの経験から読み取ります。

・交通量を調べたり、必要なら雨の降る日も再び訪れることになります。

・設計する建物が2階建てなら、2階の窓から何が見えるか、どんな風景が見えるかを調べます。


設計をする方の中には敷地図だけか、土地の形状ぐらいしか見ない方もおられますが、私は敷地をしっかり見ることを最初の段階の最も大事な作業と位置付けています。

設計作業に行き詰まった時、敷地を再び見に行ったり、何度も思い出したりすることによって先に進む手立てになることは良くあります。

次回はA,B案の2案を掲載したいと思います。
















住宅雑誌 「ハウジング トリビューン」 に掲載されました

  • 2010.06.15 Tuesday
  • 08:27


掲載されたのは住生活産業総合情報誌「Housinng Tribune」vol 388号の特集記事です。

生活創造者がリードする日本の住まい の中で
     充実した「子育てと教育」が家族と社会の宝になる のコーナーです。

この特集では、子どもが成長し、家族を育む家とは何かを考えながら、間取り一つで家庭での教育力は変わることを指摘しています。

私はインタビューで設計の中に、目に見えない家族の「空気感」や「気配」を家のなかに取り入れることが、家族の絆や「子どもが賢くなる家」につながっていくことを述べています。 
詳しい記事は、最新情報に近々中に掲載しますので、興味のある方は見ていただければと思います。













著書「住まいに居場所がありますか」 が大学入試問題に

  • 2010.06.07 Monday
  • 08:56


先日私の著書「住まいに居場所がありますか」(筑摩書房)の一部が、2010年度の、大阪府立大学の論文問題に採用されたという知らせが入りました。

昨年も著書「危ない間取り」(新潮社)も帝京大学の国語の入試問題に採用されましたが、共に住まいと家族の暮らしについて書いたものでした。

出題自体、住まいのジャンルからは珍しいようで、とてもうれしく思います。

これからもしっかり 「住まいと家族の暮らし」 を見つめる設計に力を注いでいきたいと思います。



大阪府立大学の論文問題を掲載致しました。













朝日住まいづくりフェア

  • 2010.06.03 Thursday
  • 08:27


ビックサイトで開催された展示会

最終日のこの日は晴天でたくさんの家族づれで賑わっていました。
 新橋から 「ゆりかもめ」 に乗って会場のビックサイトまで。  来るたびに変容が目覚ましく都市の成長が見て取れます。

会場は、ハウスメーカー、工務店、建築事務所など様々な切り口で特色をアピールしているのが面白く、参考になりました。
特色としてこれまでの高密度、高断熱や耐震は標準仕様になりつつあるせいか、出展はあまりなくガレージハウスや楽しむ為の家といった趣味や遊びの家の展示、そして価格破壊を打ち出したようなユニクロハウスといった展示が目立ちました。

私は時流や価格だけを売りにする流れは住文化に良い影響を与えないと思いますが、いろいろ勉強になりました。
              会場のビックサイトのユニークな建物














「中庭のある家」 に住んだお客様からのうれしい便り

  • 2010.05.28 Friday
  • 07:01


 昨年 「中庭のある家」 を設計し、暮らしてみての感想を頂きました。

 家の中に中庭のある家が理想ということで、設計をスタートしましたが、これまでマンション暮らしなので暑さ、寒さや植栽の手入れが唯一の心配だったと言います。

 四季を通じて暮らしての感想を、一部掲載させていただきます。

 ・・・・・・多少寒くても暑くても、家に入った瞬時から感じる吹き抜けの開放感や、トップライトやFIX窓からの光や、青空、月あかりの美しさ。 リビングから大きなガラスを通してみる吹き抜けの大きな木と緑が、絵画のようです。

 そんなかえがたい住み心地を思うと、寒暖は工夫を重ねたり、毎日葉っぱのそうじをしたり、多くの気づかいをする事も、楽しくなってくるように思います。

 建物に入ると冬でもTシャツで大丈夫な場所も多く、便利、快適すぎる事に慣れすぎてしまってエスカレートしそうな最近でしたので、住まい方、生活する事への姿勢について、考え直してみる毎日です。 ・・・・・・・

 
 お話では子どもも積極的に植栽に水をやったり、家族の会話も中庭の木の成長についての話もはずみ、また照明を消して葉っぱを通して見る月は感動するとの事でした。
 確実に新しい住まいによって、家族も暮らしもいい方向に変わっているという実感を感じるといいます。


「中庭のある家」は自然な形で家族にエコ生活を実現しているのかも知れません。
 設計者としてうれしい便りでした。

 















佐伯 祐三 展  新宿歴史博物館 

  • 2010.05.18 Tuesday
  • 09:06


下落合の風景を描いた 佐伯 祐三

 私は中学生の頃から、パリの街角やポスター、看板を情熱的に、そして荒々しく描く佐伯祐三の絵は好きでした。

代表作は30歳で夭折するまでほとんどの時間をパリで過した絵が多いのですが、今回の展示会は新宿の下落合で家族と過したわずかな時間の中で描かれた風景画の連作です。

当時住んでいたアトリエがある家は、新宿区によって保存されていますが、自宅の周りを描いた12点の連作はパリで描いた絵より、やさしさに満ちたものでした。
地元新宿区の企画だけに、大正時代に描かれた絵の横には様変わりした現在の風景の写真とマップがあって、とてもユニークな展示会でした。














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