講 演 ・ 「金属バット両親殺害事件」 の話
- 2007.12.02 Sunday
- 12:11
家の間取りが子どもへ与える影響
・ 家族のコミニケーションが取りやすい間取りとは?
・ 子ども部屋っていつごろから必要? どのように使わせたらいいの?
・ 自立を促す子ども部屋の与え方とは?
というテーマで講演をしてきました。
主催は、 川崎市立富士見台小学校PТA・成人教育委員会 です。
富士見台小学校は一時生徒数1300人以上を抱え全国一だった時期もありました。
また1980年日本中を震撼させた 「金属バット両親殺害事件」 を起した少年の学校区でもあります。
それだけに関心も高く定員オーバーの参加があり、質問コーナーも熱気に溢れたものでした。
子どもに いつ、 どんな 子ども部屋 を与えてよいか共通する理想の子ども部屋は無いだけに、お母さん方は真剣そのものでした。
「金属バット両親殺害事件」 の話
東京大学卒業の父、旧家出身の母。 一流大学を卒業し、一流企業に勤める兄。
二浪中の次男が、神奈川県川崎市宮前平の高級分譲地に建つ自宅で、就寝中の両親を金属バットで撲殺した。 (1980年11月)
詳細を説明する紙面はありませんが、印象に残るのは少年が逮捕された後、留置所でノートに書いた言葉です。
宮前平に引っ越す前まで住んでいた社宅での暮らしに触れ、家は狭かったが家族が必ず一日一回は顔を合わせ、家族団らんを楽しんでいた頃が一番幸せだったと語っています。
誰もがうらやむ高級分譲地に引越し、立派な子供部屋を与えられましたが、父親は仕事で帰りも遅く、そこには温かい家族の団らんはありませんでした。
一流大学合格を課せられた彼は、バラバラな家族関係の中で、疎外感や孤独感をつのらせていったことが読み取れます。
この事件にしてもそうですが、犯罪を起した少年の家族や子供部屋に共通する事は、父親の不在、夫婦の葛藤、家族団らんの場の消失、子供部屋の密室化 などがあげられます。
この事件は 郊外エリート家族の闇を象徴している事件であり、そして子どもの危機を育む土壌は、住まいと家族関係の中に存在する事を教えてくれています。