「注文建築」は、ハウスメーカーに頼んではいけない。−プロが教える裏側の話ー

  • 2020.01.29 Wednesday
  • 13:13

                                   「注文住宅」は、ハウスメーカーに頼んではいけない。プロが教える裏側の話

第三回 ・「注文住宅」であるための3つの条件

前回の3項目について説明を加えます。

■ 間取り、(平面プラン)、デザイン、空間の100%の自由性がある事。

注文設計、自由設計とは基本的に平面計画、空間、デザインは、100%自由であることを前提に設計のスタートをすることは当たり前の事といえます。(もちろん法的制限内であることは当然です。)それは平面プランだけではありません。プラン作成段階での天井の高さ、窓の開口、トップライト、吹き抜け、など自由に決めることが出来なければ意味はありません。(国から「型式適合認定」の許認可を受けているハウスメーカーは、宣伝で自由設計と言っていますが、許認可を受けている範囲内の自由であり、自由性は極めて範囲が狭く制限されています。お客様には契約をし、設計が進んでからでないと分かりません。)その前提があって初めて「こだわりの住宅」、「世界でひとつだけの我が家」を創るためのスタートラインにつく事が出来ると考えています。

 

■ 設備機器、材料、インテリアグッズを含めて、あらゆる商品の選択の自由がある事。

世界中からあらゆる商品が集まっている豊かな日本。そして東京で、設備、建材、照明、クロスなど、ハウスメーカーの決めた限られた商品の中からしか選べないとは、おかしいとは思いませんか。

それは選択の自由ばかりではありません。その商品は誰でも一般的に気に入るだろうと思われる最大公約数的な商品になっていますので、そこに個性というものが見えてきません。つまり自分で様々な商品の中から選ぶという、「こだわり」の部分が消えてしまいます。あえてラインナップ以外の材料や、商品を選ぶと恐ろしく高い見積金額になるか、海外の商品などは使えないはずです。

 

■ 設計者が設計段階から完成まで、お客様と一緒に監理し、チェックしてくれる事。

お客様の中には、設計が完了するとあとは自然に自分のイメージした建物が完成すると考えておられる方が多いようです。私の経験から申し上げますと、お客様と設計者が設計段階でイメージを共有し、描き出したイメージを完成させるには、設計者による「工事監理」抜きにして考えることはできません。

 

設計段階と工事中のイメージの違い

人間は時間が経つにつれて、考え方や求めているイメージが変わることは当然ですし、ましてや設計段階と、三次元の空間(工事中)に身を置いた場合では印象も大きく変わります。また設計段階で見えていなかったものが見えてきて、もっと良くしたい、使いやすくしたいと希望が出てくるのも当然の話なのです。  お客様自身が、工事が着々と進行していく中でその判断を的確に建築業者に伝えることは難しいので、常にお客様、設計者、工事業者の3者との打ち合わせのもと、より良い方向に進めていくことはとても大切ですし、「世界でひとつだけの我が家」を創るためにも必要な作業です。

 

設計段階と工事中の目の錯覚

さらに大事なことというより、考えておきたいのは、目の錯覚です。設計図にはたとえば、タイルの色、クロスの色、塗装の色などは記されていません。

大切な色彩については、ハウスメーカーは、設計段階でサンプル調をみて、ほぼ1日がかりですべて決定してしまい、工事が始まってからは変更ができないシステムです。私の事務所では、候補となる色見本を取り寄せ、工事現場に持ち込み、日の当たる壁、影になっている壁などにサンプルをあてて最終的に決定します。

設計段階でテーブルの上で決定する色とずいぶん変わってきますし、お客様にとっても納得のいく判断ができます。私の事務所の場合は色の部分ばかりではなく、外壁、屋根の色、フローリングの色、開口部の大きさまでお客様と一緒に工事現場で最終的に決めています。(設計段階で全て決めるのは効率はいいのですが、初めての家づくりであるお客様にとっては、常に判断が揺れ動いているので、設計者として適切な判断やアドバイスをしながら、プロセスを踏んでいきます。)このように監理の業務は設計図通りに工事が進んでいるかどうかばかりでなく、お客様と設計者が一体となって、「こだわりの住まい」や「世界でひとつだけの我が家」を創っていくための大事な業務なのです。

 

【上記のように、設計者による工事監理は、とても大切だと思いますが、ハウスメーカーは設計者による工事監理はありません。国から「型式適合認定」の許認可をとっているため工事中の修正がきかないため、設計者による監理は必要ないということなのでしょう。確かに効率性や経費削減にはなるでしょうが、私は設計者による監理がないということは、どうしても理解できません。】

 

 

※今回も文章が長くなってしまいましたので、「日本の住宅産業や私たちが反省しなければならない事」は次回、第四回目として掲載します。

※ご不明なところ、ご質問、ご意見については、メールにてお問い合わせください。

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