二つの 写真展 の 話
- 2008.01.24 Thursday
- 09:52
吉祥寺で2年前自宅を設計したお宅に訪問した帰り、武蔵野美術館で 土門 拳 の写真展が開催されていましたので見てきました。
昨年の12月京都の現代美術館で 木村 伊兵衛 の写真展を見てとても感動し、その時から、昭和のもう一人の巨匠 土門 拳 の写真展を見たいと思っていました。
二人は様々なテーマを追い求めましたが、特に私が感動したのは路上や空き地で活発に遊ぶ子ども達の姿でした。
子ども達は着ているものは粗末ですが、目だけはキラキラ輝いていました。
現代では、東京でも地方でも外で遊ぶ子どもの姿もなく、空き地もありません。
あらゆるものが変化した中で、一番変化したのは子どもの住環境と、生活環境ではないでしょうか。
ここ数年昭和30年代ブームと言われ、向田邦子原作の演劇や、映画 3丁目の夕日 のヒットなど数多く企画されています。
日本人が置き忘れてきたものが、昭和30年代にはあったということでしょうか。
豊、便利、快適 を手にいれても、幸せの未来図を描けないところに、現代の不幸があります。
二人のモノクロ写真展は、失われていく日本の文化や、風土、そして人々の暮らし中に、昭和という時代のぬくもりを蘇らせると共に、日本人が忘れてしまったものを教えてくれています。