M 邸  模 型    

  • 2008.04.29 Tuesday
  • 21:51


 神奈川県 O市 に建つMさんの住まいで、現在設計進行中の建築です。

 三世代一緒に暮らせる住まいでもあります。

 Mさんは長い年月をかけ土地を探し、ようやく納得できるこの土地に出会いました。

 山の上にあるこの土地からは、眼下にO市の街並、そしてその先には太平洋の海が見えます。

 初めてMさんご夫妻とこの土地を見たとき、土地の高低差は激しく設計の大変さを予想しましたが、一切土地の形状を変えず山の起伏に合わせるように水平ラインを強調した建築をイメージしました。

 いっぱいの 光、風、そして 春夏秋冬 の季節の匂いを感じる住まい。

 Мさんの家族の絆がより強くなるような、そんな住まいを設計したいと思いました。
 







 山の上なので完成すると新幹線からも見え、出張の楽しみがひとつ増えそうです。
 













京都 五条坂 河井寛次郎記念館 

  • 2008.04.26 Saturday
  • 08:16


 河井寛次郎記念館は、五条坂を 清水寺方向に歩き 東大和大路通り 手前、 若宮八幡宮を少し南に入った所にある。







 このあたりは京都の伝統産業、清水焼の中心地であった。

 毎年8月7日から10日は 陶器まつり が開かれ五条坂の両側には何百軒もの陶器を売る露店が並び、夜遅くまでにぎわう。

 清水焼を作る工場や窯は、東山を越した山科の方に移っているが、それでもこのあたりをそぞろ歩くと、小さな陶器店や崩れかかった作業所があったりする。
 そんな一角に 河井寛次郎記念館がある。

 ここは清水寺へ行く途中の茶碗坂にある 京都連絡事務所 から歩いて5分程のところで、仕事に疲れるとよく訪れる。

 私がいつも元気をもらう場所でもあります。

 河井寛次郎は優れた陶芸家や木彫刻家そして民芸運動の指導者として類まれな才能を発揮しました。
 この建物は1937年に建てられた寛次郎氏の住居兼創作の為の工房で、住宅をそのまま美術館にしたものです。

 陶芸や彫刻の作品はじめ収集したコレクションなど、自身が生活した空間の中で見ることが出来るのが何よりも魅力である。








 寛次郎氏の作品の好きなところは、清水焼の優美で繊細な陶器とはとても似ても似つかない強烈な個性をもち、その縄文的な力強い作風と色彩の強烈さに引かれます。 
                                                             私はそんな作品も好きですが,島根県安木(やすぎ) で建築を家業にする家に生まれたことや、それに造形力も加わり、家そのものの空間や家具、建具などがとても素晴らしい。

 現代の家にはない懐かしい 「古(いにしえ)の空間」 を感じる事ができます。

 とくに住まいの中心をなす 囲炉裏(いろり) の上部は大きな吹き抜けがありこの家の豊かさを特徴づけています。

 そんなやさしくおおらかな空間は、私の好きな建築でもあります。

 住まいと陶芸の作業場や登り窯との間の中庭も私の好きな所で、陽だまりに座っているとゆったりとした時間が流れ,時が経つのを忘れてしまいそうです。

 力強い木組の構成、白い砂壁、障子からやわらかな光、そんな空間と作品の中に身をおいていると、自然に力と元気がわいてくるような気がします。

 創作の合間に書いた 「自筆のノート」 に残した言葉の数々も素敵です。

     此世(このよ)は自分をさがしに来た処
     此世は自分を見に来た処

     暮らしが仕事  仕事が暮らし       「いのちの窓それ以降」 より 

 柱時計の刻む音、歩くと床のきしむ音といった 聴覚
 木の椅子に座り家具に触れることによって感じる 手の 感触と温もり

 河井寛次郎記念館は、私たちが失ってしまったゆたかで 居心地のいい空間 を体現できる貴重な場でもあります。 


            
 













 型枠建込み と  コンクリート 打設

  • 2008.04.23 Wednesday
  • 18:01


 建設地 所沢市 N 邸  新築工事

 基礎配筋が終わり型枠を設置してからコンクリート打設まで約1週間。
 基礎の配筋検査が終わり、アンカーボルトの確認ととコンクリート打設の立会いとあわただしく基礎工事の現場監理が続きます。

 その間Nさんご夫婦とは現場で打合せしてから、仮住まいで打合せを行いました。

 
 □ N 邸 設計メモ □


 アンカーボルトの位置は図面に従い、ボルトの高さ、ボルトの取り付け状況など、大変大事なポイントなので慎重に確認します。

 従来基礎コンクリートは、耐圧盤、立ち上がり、犬走りの3つは別々に施工されました。
 しかしその場合は、継ぎ目が出やすく亀裂が入り易かったり、そこから浸水したりする危険性が高いので、必ず耐圧盤と立ち上がり部分のコンクリートを、同時に打ち込むようにします。

 














    型枠が組みあがりコンクリート打設直前の現場













建築条件付土地 の話

  • 2008.04.17 Thursday
  • 06:46


 現在敷地を探されているお客様から、一緒に土地を見てもらいたいとのご依頼がよくあります。その経緯の中で気に入った土地が 建築条件付 のケースにぶつかる事があります。

 建築条件付土地売買とは、土地を売る業者にその土地を敷地として住居の建築も依頼するということを買手が業者と売買契約を結ぶ事をいいます




 土塀の小道に咲く 芝桜      京都 上賀茂


 この場合私の事務所では、お客様と相談をし売主と交渉をし少し金額を支払っても条件付を外してもらうよう話を進めます。 

 その理由は建築条件付で工事をして後で後悔したり、また様々なクレームも多いからです。

 一般的にどんな工事業者が工事にあたるかも分からず、お客様に選択の余地がないのも不安材料です。

 売主も建築工事からも利益を得るため工事完成を急ぐケースも多く、設計に十分時間をかけることも出来ず問題が残ります。

 十分な時間をかけて設計をし、工事を通して建物の質を高めていくためには、出来れば建築条件付の土地は避けた方が賢明でしょう。

 そんな状況にしっかり対応するためにも、建築設計事務所と一緒に土地を見ることはいい結果を生むと思います。



















M邸 訪問

  • 2008.04.14 Monday
  • 06:22


7年前に設計したMさんから久しぶりにお電話があり、少し相談したい事があるので家を見てもらいたいとのことでした。

 Mさんのお宅は 西武線ひばりが丘の駅から15分ほどで 自由学園 の近くです。
 遅咲きの八重桜や新緑が美しく、何十回と現場に通った道を、なつかしく思い出しながら歩きました。


 ご夫婦と息子さんの三人暮らしのMさんはお元気で、とても心地よく過ごしておられるというお話をお聞きして、設計者としてほんとうにうれしく安心しました。

 点検の結果西日がとくに厳しい西側の塗装と、一部手直しを中心に手を入れることになりました。

 2月2日のブログで載せさせて頂いた世田谷のNさんのお宅も築8年ですから、家が建って築7年から8年は点検をし手を入れるひとつの目安だと思います。

 写真の庭木は苦労して伐らないで残した 柿の木 ですが、新芽を出してとても美しく陽の光に輝いていました。

 家族が成長し建物も風格を増し、この 柿の木 も7年の歳月を経て枝ぶりも大きくなり、建物と共存している様子が微笑ましく見えます。 こうして家族と家の歴史がつくられていくのだと思いました。

 
 
 














著書「危ない間取り」 が大学入試問題に引用されました

  • 2008.04.11 Friday
  • 10:43


平成20年度 某大学 国語の入学試験に私の著書 「危ない間取り」 新潮社 から引用されました。

 第7章 家とは何か   
 どんな住まいでも「仮の宿」ではない 
 の中の4ページ分でしたが、思っても見なかった事だったので素直にうれしいことでした。


早速、出版の際私の担当編集者としてお世話になった、新潮社のK氏に連絡をしたところ次のメールを頂きました。

大学入試にまで引用されるとは  「家族問題ー間取りの問題」 に対する社会の意識が広がっている証左で、感慨深いです。



いま執筆中の (仮)家族を壊す家、つくる家 12月刊行予定〈新書版〉でも間取りの問題を取り上げていますのでご期待ください。


 もう東京の桜は散ってしまいましたね。 満開の頃雨が多く、開花まで待っていた時間の方が長いような、例年より盛り上がりに欠けた桜でした。  残念でした。













基礎 配筋検査  2−2

  • 2008.04.08 Tuesday
  • 18:21


基礎の配筋検査と同時にこの段階で外構の打合せをしておけば、後の無駄もなくなりますのでご主人の立会いで、玄関廻りの外構の打合せも行ないました。







この段階で給水、排水、給湯、ガス管など外部から建物内に取り入れるための配管やスリーブを開けておきます。

 この部分をしっかりしておかないとコンクリートが打ち終わってから穴を開ける事になり、鉄筋を切断してしまう場合もあり、注意が必要です。



 ■基礎についてお客様から設計段階での質問

      ・ 基礎にはどんな種類がありますか? 
     ・ 選択した基礎はどんな特性がありますか。?


  木造の場合一般に 布基礎 とベタ基礎 の2種類があります。 地盤の硬さや構造計算などによって決定されます。 

  阪神大震災以来、布基礎よりベタ基礎のほうが地震に強いという考えが強くなり、基礎の形状はベタ基礎のほうが多くなっています。

  しかしベタ基礎がどんな軟弱な地盤に対応出来るわけではありません。軟弱地層の厚さや 地盤全体の地耐力が変わらないという事が前提になります。


 □ N邸  設計メモ □   ベタ基礎を選択した理由    横山彰人

  N邸の地盤はこの周辺一帯が畑であったことや、調査の結果均質な地盤であったこと。

  また建物が総2階建てに近いため、北側斜線も厳しく出来るだけ居室の天井高を確保したいことも理由のひとつです。   その結果全体で200mmほど天井が高くなりました。
    

  

  













基礎 配筋検査  2−1

  • 2008.04.07 Monday
  • 06:39


建設地 所沢市  N 邸 新築工事
基礎の配筋検査とお客様への説明を現場で行いました。

 配筋の検査は一番大事な構造体の検査でとても重要な検査ですので、私の事務所では他の打合せを兼ねて、お客様に背筋の状況を見てもらっています。

 検査項目     鉄筋の継ぎ手長さの確認        開口補強の確認 

            結束の有無       コンクリートのかぶり厚さの確認

           鉄筋の配置の確認    給排水の配管スリーブの確認  



   
写真左 検 査 風景

写真右 かぶり厚確認


 








写真左は躯体の土台や柱を基礎と強固に固定するためのホールダウンアンカーで太さと長さの確認。

写真右は天井高2100の地下室のための躯体。市販の製品を使用する予定です。
 

















家の間取り のことで新聞に掲載されました

  • 2008.04.04 Friday
  • 06:47


 日刊ゲンダイ 4月1日 7面 に囲みの記事として掲載されています。 

 このところ茨城8人殺傷事件やJR岡山駅ホームの事件など、「誰でもよかった」と無差別に殺意を持ち事件を起こすケースが続き、社会を震撼させています。


 人間が犯罪を起すまでには様々な原因があり一つに特定することは出来ません。

 しかし言えることは、乳幼児期、幼年期、前思春期ごろまで親とどんな過ごし方をしたのかが大事な要素となることは間違いありません。

 親の愛情を十分受けて育ったか、家族コミニケーションやスキンシップが取れていたか。

 そして家族で過ごす団らんの場が機能していたか、子供部屋が密室になっていなかったか、といった住まいの間取り生活動線の大切さと、いつも家族の気配を感じる間取りの大切さなどを取材された記者に話しました。

  「家の間取り」  の重要さに気がついていない方も多いのですが、事務所では 間取りの無料相も受けておりますのでご利用下さい。
 
 新聞記事のご希望の方はコピーを用意しておりますのでご連絡下さい。

 
 

 













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