信州 八ヶ岳美術館

  • 2011.07.29 Friday
  • 11:33
八ヶ岳美術館  村野藤吾 設計 

先日上諏訪に行、翌日 茅野(ちの)から八ヶ岳美術館へ向かいました。 それにしても長野県はどうしてこんなに美術館が多いのか、驚いてしまいます。 
文化県からなのか、風景が美しいからなのか数え切らないほど美術館や資料館が点在しています。

中でも私は建築家 村野藤吾 87歳の時設計したこの八ヶ岳美術館が建築としてとても好きです。






道路からカラマツの林の中の小道を登って行くと、美術館の入口です。

野外にも彫刻が展示されています。






展示室は淡いクリーム色の色調でこの美術館の独特の天井はガラス質のカーテンに覆われ、間接照明を通して柔らかい優しい空間です。



スポットの照明が陶製で美しい。


建築されて25年以上経ちますが、管理がゆき届いてもいるし、建築的にもその質の高さは全く失われていない建物です。

現在9月30日まで 村野藤吾の世界 という特別企画展が開かれています。
当時の設計図や、村野自身が現場で指示している写真なども展示され興味深いものがあります。

それにしても87歳でこんな感性の高い仕事を完成させたエネルギーは、素晴らしいの一言です。

F 邸新築工事

  • 2011.07.25 Monday
  • 10:29
土 工事 

基礎の形状は、ベタ基礎です。
基礎が出来上がるまでの作業は、建物が出来上がると見えなくなってしまうため、極めて大切な作業です。 
ベタ基礎は建物全体にコンクリートを打ってしまうため、給排水や、排水桝の位置などしっかり決めておく必要があります。



根切り工事の段階です。掘削底の土質の検査を行います。



砕石を敷いて突固めをします。
敷地中央の土が盛り上がった部分は、中庭の部分です。



根切り底を確認し、捨てコンクリートを流しています。
この日も東京は気温35度の暑さの中、大変な作業が続きます。



ようやく夕方になって作業が終わりました。 暑い中お疲れさまでした。

次の作業は、配筋の工事です。

家の記憶

  • 2011.07.21 Thursday
  • 11:37

 家族の思い出を刻む

家は新築でも増改築でも、家族にとってとても大きな記念すべき出来事です。
特に子供にとっては一生思い出に残る事かもしれません。

どこで生まれ、どこで育ち、どんな環境で過ごしたかはとても大切です。
下記の写真は、今回新築し完成したT邸の玄関アプローチ階段部分に、二人の子供さんの手形を記しました。

家の完成時、こんな手形や記念樹を植えたり、なにか家の誕生を記念するものがあれば、何年たっても当時を思い出し、家の愛着も深くなってくるのだと思います。

子供にとっても成長し家を離れた時でも、見るたびに幼い時を思い出し、幸せな気持ちになるのではないでしょうか。





下記の写真は、子どもの成長を柱に刻む板を、家族がいつも通るリビングから和室に行く角に取り付けています。
壁の構造は大壁ですが、一部真壁のように見せています。

子供の背くらべの「柱の傷」は、家族の思い出と共に生きていき、仮に引越しの時でも簡単に取り外して持っていけるようにしています。

建築 解体工事

  • 2011.07.19 Tuesday
  • 14:12

 建物の解体

このところ早稲田アトリエのすぐ近くで有名な建物が相次いで解体されました。 いずれもまだまだ使用可能なのに残念です。
 経済効率が悪いとか、有効利用したいとか様々な理由があると思いますが、建て替えられた建物はいずれも以前の建築より空間や建築の質が落ちる建物が多く残念です。
 


 私の早稲田アトリエから見える建物の解体現場ですが、壊している建物のボリュームと低層に見える壁面の珪藻土レンガ貼りを見て、建築家 村野藤吾の設計だと分かったら、そうとうの村野ファンだと思います。

 解体中の建物は早稲田大学 文学部33号館です。中庭を取り囲むように教室が配置されているこの建物は好きな建物でした。






この建物も早稲田で、目の前に建っていた住居でした。建築の学生の頃から本で知っていた建物でした。 
 建築家 藤井博巳 の代表作で 「宮島邸」1973年 の作品です。 著書「現代建築の位相」

 建築雑誌に大々的に登場した建築ですが、鉄筋コンクリートですが38年で解体ですから、一抹の寂しさを感じます。

東山 魁夷 記念館

  • 2011.07.14 Thursday
  • 18:08

JUGEMテーマ:住宅


記念館と自邸

梅雨模様の日、千葉県の下総中山にある東山魁夷の記念館へ行ってきました。
記念館に隣接している自宅は建築家 吉村順三の設計で、増改築を重ねた設計は私の好きな作品でもあります。
芸術大学で二人は同級生だったから設計を依頼したとのことですが、お互いやり取りした手紙も展示されていて、興味深いものがあります。

風景画家としてあまりにも有名ですが、私は書いた文章が好きで、そこから絵も好きになりました。





この日は 「桜と新緑」の通常展が開催されていて独特の青の世界を楽しみました。



 


若い時代ドイツに留学し、大きな影響を受けたことから外観は、ドイツの街並みを再現しているようです。 日本では長野県の風景を愛し、数多く残したことから長野市の美術館の方が規模も大きく原画も多く所蔵しています。

夏にある作家の講演会を聞きに軽井沢に行くのでその折に、長野市の美術館に行ってみようと思います。


この日、帰りに画室で絵を描きながら聞いたというモーツアルトのCDと、「風景との対話」という随筆集を購入しました。

有名で私の好きな建築家ですが、ほとんど著書を残さなかった吉村順三と、画家としてかなりの数の文章を残した東山魁夷。 新宮殿の設計を途中で降りた吉村順三と、新宮殿に壁画を描いた東山魁夷。そんな比較も面白く興味をひかれます。



下の写真は自宅の木の門扉です。 建物の外観は樹木に囲まれていて見えませんが、いかにも吉村順三らしい素朴で温かみがあって、門というよりくぐり戸のようで、住む人の人がらが偲ばれるたたずまいです。


F邸 新築工事 

  • 2011.07.13 Wednesday
  • 11:56
仮設工事

 地鎮祭が終わると建物の位置を正確に出す、遣り方、墨出しを行います。

設計図で測量図をもとに配置を決めていても、実際の土地とでは、
若干異なります。

修正を含め近隣との距離を確認しながら、必ずお客様との立会いで
決定します。

雨の地鎮祭でしたが、この日は朝から陽射しが強く、梅雨が
明けないのに、この暑さの中、職人さん達の汗が体からふきだしていました。

写真では敷地内配管工事が行われています。



基礎のための土を掘り返していたら、古いコンクリート製の浄化槽が
出てきました。

建て主も、お父さんの代のことなので忘れていたとの事でした。

これは地中障害といって工事前には全く分からなかったことで、追加見積の
対象となりますが、どう建物を弱めないで金額を抑えるか、を検討します。







ポイント  1

地鎮祭が終わると、ようやく工事が始まったとばかり、現場に足を運ばない方が
いらっしゃいますが、建物の位置を決める時は必ず確認して下さい。

隣地との間の確認。
曲面で想像していたより狭かったり、隣の塀が一部飛び出していたりと
思ってもにみない事が起こることもありますので。

F邸 新築工事

  • 2011.07.06 Wednesday
  • 14:05
雨の地鎮祭

天候不順がな日が続いて、大降りの雨の中の地鎮祭でした。
地鎮祭は 地祭 じまつり、とか とこしずめのまつり 基礎工事の着手する前にその土地の神を祭って工事の無事を祈る祭典です。 
この日は地元の氷川神社にお願いしてお祓いをやって頂きました。 地鎮祭の前後の時間帯は曇りで、まさに雨降って地固まるといった地鎮祭でした。

F邸は二世帯住宅で昨年から設計がスタートしてましたが、子供さんの受験や設計の見直しもあって本来なら4月頃の地鎮祭でしたがずれ込みこの日になりましたので、待ちに待ったスタートです。

いままで住んでいた家を壊しての建て替え工事で、出来る限り庭の樹を残すということで、思い出の柿の木と紅葉の木を残すことになりました。
新しい家では、お母さんの部屋から思い出の柿の木が正面に見えるように設計しています。

地鎮祭が終わると建物の正確な位置を出し、仮設工事が始まります。
建て主と打ち合わせを重ね設計図を完成し、これから本格的に工事が始まるという地鎮祭の儀式は身が引き締まる時でもあります。


地鎮祭の様子
 

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