O 邸新築工事 間口が狭く奥行きが長い家

  • 2011.09.30 Friday
  • 13:53
コの字型・中庭のある家

地鎮祭が終わり、遣り方の前に敷地にテープで間取りをのせ、光や近隣との兼ね合いを見ます。

この段階ではなかなか完成のイメージが掴めませんが、設計図を見ながら確認しておくことは大切です。



Oさんも図面を見ながら感覚をつかんでいます。 いまOさんが立っている所あたりが中庭になるところです。



上を見上げると、3方(東、南、西側)が2階建ての建物に囲まれています。
風の通りと、採光をどのように取り入れるかが、設計のテーマのひとつになっています。

東京は建てるとき空地であっても、いつ隣に2階建てや3階建ての建物が建つかわかりませんので、どんな状況になっても風や十分な光を取り入れる設計の配慮はしておかなくてはなりません。



■ 一口メモ

この段階が過ぎると、遣り方、土工事、基礎工事と続き、なかなか敷地の中に入れません。

この機会に一階の間取り、近隣の窓、敷地の空き具合、外壁の色合いなどを確認しておいた方がいいでしょう。

季節によって太陽高度も違いますので、できれば午前中、午後、夕方の陽の入り方も確認しておくといいでしょう。

F 邸新築工事 中庭のある二所帯住宅

  • 2011.09.29 Thursday
  • 15:48
上棟後・開口部確認 

外部に面する開口部は、外観の表情、光の量、窓からの景観、隣家からのプライバシーなどを考えるととても大事です。

そしてその開口は、出来れば上棟が終わって、建物の概要が見えてから、再度図面の段階で決定した開口部を、もう一度見直したいものです。

見直せば、思ったより室内が暗いので、開口を大きくしたい、隣家との窓が気になるので移動したい、新規に窓を設けたい、等々。

初めて家を作る建て主にとって、図面の段階で開口部を正確に決定することは無理だと考えています。
しかし、実際にはハウスメーカーはじめほとんどの業者、設計事務所においてもこの段階の見直し作業は行われていません。

その理由は

・ すでに取得した建築確認申請が、開口部の変更によって採光計算や図面の変更、によって変更申請を提出することになり、経費と設計作業が増える。

・ 工事スケジュールが遅れる可能性がある。
(一般的に工事契約後、鋼製建具はすぐ発注されることが多い)

・ 見直しによって工事金額が変わり、手間や作業量が多くなる。


私の事務所の場合は、HPの監理設計の特色でも記載していますが、上棟後の見直し作業をしないうちに開口部の鋼製建具は発注しない様にしています。
 



Fさんご夫婦と現場でメジャー(巻尺)をあてて、設計上決定していた開口寸法をもう一度チェックしています。
窓の幅、高さ、壁の立ち上がり寸法、開く形状、セキュリテー、ガラスの透明か不透明かなど、再度確認します。


その結果、1階からロフト階までの開口で、6箇所以上の変更箇所が出てきました。設計段階で模型などで検討しても、現場に立つと平面で検討していた時と大きく違うことが分かります。



 一口メモ

外部の開口部は、外観の表情に大きく影響を持つので、部屋から見た時と、外からどう見えるかを考えながら決める。(同じ寸法でもFIX 窓、上げ下げ、片開き、滑り出し、引き違い窓、は用途と見た目が大きく変わリます)

同じ窓の大きさでも、向きが東西南北によってや、外の樹木や隣家の建っている状況によって明るさや、風の通りが随分違いますので注意が必要です。

特集『新・間取り考』月刊誌ハウジング・トリビューンに掲載されました

  • 2011.09.26 Monday
  • 10:51
暮らしを変え、家族を変える「 新・間取り考」、サブタイトルはマドリイロイロ、イロトリドリ

このところ、「間取り」に関する雑誌の取材や、インタビューが増えています。

私なりに分析すると、これまで建物の断熱、気密、エコ、、耐震、が話題になり、また住まいに取り入れられてきました。

どれも大切なのですが、東日本大震災でも何度も映像として、失っった家族の写真を探していたり、これまで家族が食卓を囲み食事をしていた、ごく当たり前だと思っていた家族の団らん風景が、今思えば、かけがえのない大事な時であった事が分かったと報道されています。

こんな背景もあり、家族の絆や、人間の成長に深く関わりのある、「間取り」を見直そうという動きが出てきたのではないかと思います。



内容は私の著書、「子どもをゆがませる間取り」(情報センター出版)、「危ない間取り」(新潮社)などで取り上げている、間取りによって人間の行動や、精神が大きく影響されることや、家族関係や人間の成長をテーマにした記事になっています。

「間取り」はどの家族も共通する理想の間取りがある訳ではなく、家族の暮らしは様々ですから、家族の数だけ間取りはあると言ってもいいでしょう。

ハウスメーカーや規格住宅は、間取りに関してはお金にはね返ってこないので、どうしても断熱や気密や設備といった家のハード部分にに力を入れてしまうということも、「間取り」の大切さが浸透しない一因でもあるのではないでしょうか。

建築の話 「ローコスト編」 手摺(てすり)の考え方

  • 2011.09.21 Wednesday
  • 15:49
 外部に面する手摺や、室内の階段などの手摺をどんなデザインでまとめるかは、意外と悩むところです。
ガラスや木の格子は金額が上がりますし、ローコストでデザインポイントでない所ならお金もかけたくありませんし、
かといって既製品は使いたくありません。

そんな時はスリット加工をよく使います。 
この方法ですと下地の段階でしっかり打ち合わせをしておけば、ほとんどお金はかかりません。




リビングからロフトを見る。ロフトの手摺は、まともに壁で立ち上げると壁面の面積が多くなりすぎて、重い感じがします。

この住まいでは、立ち上がりの高さを低く設定し、上に木の手摺をつけ、見た目に軽くかつ抜けている感じを出すためスリットを設けています。




ロフトから手摺を見る。将来手摺の部分に扉をつけ、個室にするため下地に配慮もしています。

部屋になっても太陽の陽が入るよう、天井にはトップライトを設置しています。
ローコストであっても、必要なところにはお金をかける事が、あとで悔いが残りません。



スリットから子どもの気配も分かります。穴から子どもが落ちないよう、それでいて出来るだけ広くと計算されています。




あまり壁のボリュームを見せないよう、こんな手摺りもあります。

手摺のある部屋は、天井高1・4Mで法規上面積に算入されませんが、写真のように
一部吹き抜けにしているので、豊かな空間で用途が広がります。



ガラスの手摺で透明感を出す方法もあったのですが、ローコストに徹し、スリットにしました。
金額は水切り部分だけで済みました。

バルコニーをブリッジ(橋)でつないでいますが、ガラスよりむしろ一体感が出たように思います。



子どもが走りまわる様子が、リビングから見えます。 子どもが思い切って走れる場は、
家には必要だと考えています。



乳白色のポリカーボネイトを使用し、道路から影が映り、デザインと防犯を兼ねています。



設計の立場として、ローコストでもローコストに感じさせない気合が大切だと考えています。

この住まいがなんとなく温かく感じるのも、手摺の高さをはじめ、スリットの幅、デザインは、
家族の暮らしのスケールを考えて設計しているからだと思います。

現在の住まいに使われる建材はほとんど新建材で、スリットの部材や、手摺も既製品ですが、
冷たさを感じるのは私だけではないでしょう。

F 邸 新築工事  補強金物

  • 2011.09.20 Tuesday
  • 11:34
補強金物 の 使い方

木造住宅の木組みの刻みは、現在ほとんど工場で行うプレカットになっています。

また構造材の緊結は、補強金物の種類と性能の向上に伴ない、金物での補強が主力になっています。

多くの金物の中から何をどう使うかが、大事な要素でもあります。



土台、柱、筋交い、など基礎部分との緊結が大事です。



換気部分の金物です。 近年換気口を設置しないでこのように通気を取る場合が多い。



梁と梁の補強金物。 両サイドと梁に内部でも補強しています。



梁が交差する部分の補強です。



垂木と梁を緊結しています。 柱と梁も全て金物で補強しています。



■ 一口メモ

金物をどのように使い、耐震性を高めていくかはとても大切です。 使う金物の説明と、筋交いを含め、全ての補強が完了したときに、現場で確認すべきでしょう。

建物の隅柱、土台と基礎、柱と梁は特に注意が必要です。 

猫の昼寝  おだやかな時間 ・ 風景

  • 2011.09.17 Saturday
  • 10:42
忙しい日常でも時々出会う、心が和む時間があります。

公園を歩いていたら、ネコが気持ちよさそうに昼寝をしていました。 寝る姿が面白かったのでそっと近づいて1枚撮りました。



寝相が悪いというか、人間が座る場所をあえて空けているのか、寝顔を見て笑ってしまいました。



30分後、再び通ったらなんと隣におじさんが座って、読書をしているではないですか。

東京ではこんな光景見たことありませんでしたので、また1枚撮りました。



近くでは 鳩(はと)が遊んでいます。  ネコも安心して寝ています。

ゆったりとした時間が流れている、ほっとするような昼下がりの午後の風景でした。
 

O 邸 新築工事  ショールーム見学

  • 2011.09.16 Friday
  • 11:50
ショールームめぐり 

ショールームへはよく建て主と同行します。設備機器や内外装の建材など一度は一緒に行って、その素材の質感や考え方を説明するようにしています。

今回 ご一緒したのは、Oさんがネットで見つけた設備機器や建材を扱うメーカーです。

工事契約をしても見積金額より安いものが見つかれば、事務所のスタンスとして施主支給であっても積極的に使っていくという体制をとっています。



ショールームで手で触れて素材感や実際の色をみることは大切です。



既製品でも在来工法であれば、設計の段階で寸法の調整をし、既製品の短所をある程度埋めることも出来ます。


■ 一口メモ

ショールームへ行く時は必ず設計図とメジャーを持って行ってください。

展示されている空間が大きので、眼の錯覚でこのぐらいの大きさならは大丈夫と思っても実際には入らなかったり、バランスがおかしかったりすることが多いのです。

また建材の色を決めるときも実際のサンプルをもらって、現場で確認してください。
色も、ショールームの明るい空間で見るのと現場で見るのとは随分違うものです。

映画 岩波ホール 『 おじいさんと草原の小学校 』

  • 2011.09.15 Thursday
  • 13:34

神田神保町にある「岩波ホール」は、いい映画が上映されるのと、劇場が素朴なインテリアなので好きでよく行きます。

今回も期待以上に感動的な映画でした。 アフリカ大陸ケニアでほんとうにあった実話で、未来への希望と夢を諦めないで、84歳で小学校に入って、勉強を続けたおじいさんの話です。




ケニア独立のために戦ったおじいさんの壮烈な人生から、不屈の精神、諦めない夢、幾つになっても学ぶことの大切さを教えられた映画でした。 
またケニアの空は、どこまでも青く美しく、子供たちの眼がキラキラ輝いているのが印象的でした。

 
映画が終わった後の楽しみは、岩波ホールのまわりは古本屋街であり、古い居酒屋やビヤホールそして歴史を刻んだ珈琲店があって、そんな所をぶらつくのも大好きです。



 

F 邸 新築工事  棟上げ

  • 2011.09.13 Tuesday
  • 10:28
土台を敷いたら棟上げになります

棟が上がるのは夕方なので、その前に近くのファミリーレストランで、打ち合わせです。




現場近くの打ち合わせ場所は、子供さんが小さい場合カラオケルームでの打ち合わせもあります。



重機で組み上げられていきます。 職人さんの邪魔にならないように、柱の位置、梁を確認していきます。



この日も東京地方の降水確率は60%で、雨の心配しながら作業が進みます。 



ようやく一番高い所 (ロフト部分) の梁が組上がりました。 何とか雨も降らず一安心です。

それにしても職人さんのチームワークや匠には頭が下がります。



F さん家族がお酒、塩、お米で、建物の四隅の柱を清めます。



■ 一口 メモ

棟が組み上がっていく時は、危険なので建物の下には入れませんが、できれば組み上がっていくプロセスを見ておくことは勉強になります。

図面を持ち込んで、柱の位置や玄関や部屋の感じを見ておくことは、後の打ち合わせにも随分役に立ちます。 出来れば棟が上がったら、一両日中に現場で確認作業を行ったほうがいいと思います。
   

東北大震災 石巻に 高圧洗浄機 を寄贈

  • 2011.09.12 Monday
  • 10:12
 東北大震災で被災にあった地域にクラブとして、義援金はもちろんですが、現在一番必要としている物を贈ろうということで、先方からの意見を聞き、高圧洗浄機 34台を贈ることになりました。

寄贈式が先日あり、石巻に行ってきました。



小型ですが高性能の高圧洗浄機です。 東京の業者からも仕入れることが出来たのですが、石巻の業者から購入し贈ることが出来ました。




地元の代表の方に手渡しで。 この場所も高台で一軒だけが残った庭をお借りしました。



皆さんとても喜んで頂きました。  ほんとうに一生懸命復興にがんばっておられます。

義援金としてお金で贈るのもいいのですが、今回のように地域の方に直接困っている物を渡し、お話を伺うのはとても有意義な事でした。







半年たってもこの現状です。 鉄筋コンクリートの建物が横転しています。

基礎の部分を見ると建物の四隅に杭が二本ずつありますが、途中で折れているのが分かります。



鉄筋コンクリートの建物は解体と言っても、解体工事金額はかなり高いので時間がかかりそうです。 



小学校の建物で、右側が体育館だったそうですが倒壊しています。 この小学校も建物の向きが海に向かっていたら倒壊していたと思われます。
  




港の現状です。 魚が捕れてもその魚を冷凍に保存したり、加工したり市場に送るための施設や機能がすべて無くなっています。 石巻は漁業に活気が戻らないとどうにもならない街です。 

今後はクラブとして微力ながら、漁業関係の支援をやって行く予定です。


建築設計を職業としている者として、具体的に何も出来ないのが、はがゆく思いました。

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