建築化照明 間接照明

  • 2011.12.30 Friday
  • 08:25
 建築化照明

室内の空間や、夜の家族団らんの場にやわらかく演出する照明に間接照明をどう考えるかは大切です。
建築化照明は間接照明とも言いますが、設計の段階から組み入れ造作工事に大工さんに作つてもらいます。

少し造作金額はかかりますが、高価な照明器具を買うよりローコストにもつながりますが、手間がかかるのでHMや工務店は進んで提案しない工事かも知れません。


室内が固まつたこの段階から間接照明のための造作が始まります。

窓の開口と壁の部分が明確になれば自然光との割合がわかり、どの程度の間接照明の明るさにするか、その高さや位置を再度検討し決めます。


勾配天井にやわらかく光が広がります。
窓の上部の照明器具もカバー付きで光の量と方向を調整出来、アツパーで勾配天井上部を照らします。

最大4.5mある勾配天井面には照明器具は取り替えの事もあり、照明器具は付いておらず天井全体をやわらかく包むように計画しています。


廊下の天井は一搬的にダウンライトの照明器具を用いるケースが多いのですが、一部天井を上げて間接照明にしています。


右の階段はロフト階へ。縦の格子が美しく浮かび上がります。間接照明の光がが廊下全体にカバーしますので、高齢者にも優しい光です。




F 邸 新築工事  引渡し間近

  • 2011.12.27 Tuesday
  • 10:48
完成間近

F邸も完成間近で、年内の引越しということで、最後の器具付けや、調整が行われています。 



ロフト階からリビングダイニングを見る。 大きなガラスを通して中庭が見えます。
中庭には、6mほどの高さの、白樺 の樹が植えられます。

廊下との間は引き込み戸なので、引き込むと空間が一体になります。吊りレールを使つているので、床に敷居がありません。



リビングダイニングからルーフバルコニーを見る。
ルーフバルコニーには木製の床が敷かれ、リビングとの延長として、半外部空間としてアウトドアを楽しめます。



リビングダイニングからキツチンを見る。
南側に位置し、大きな窓からは南の光が溢れ、庭の柿の木と風景が見えます。

床は白の大理石、床暖房の設備。



洗面所から浴室を見る。
浴室との間が透明ガラスなので、狭い洗面所も広がりと一体感がでます。



外観の素材は、金属製の鋼板ですが、やわらかさを出すため白のソフトリシンの壁を組み合わせました。中庭の壁も白のソフトリシンです。

設計でいつも考えている事ですが、閉ざされた家ではなく地域に開かれた家をいつも考えます。

F邸では道路側に面して細かな木製の格子をつけてやわらかさと、格子のルーバーを通して、リビングダイニングの間接照明の灯りが見えるようにしました。

夜、道を通る人が家族団らんの場であるリビングの灯りを見る事によつて、温かさを感じられればと思います。


 
庭に残した柿の木が夏はほどよい日陰を作ります。今年の柿の収穫期にはFさんから頂きました。 とても美味しい柿でした。

室内建具の面材・既製品と造作建具

  • 2011.12.24 Saturday
  • 16:13
木製建具 既製品の長所・欠点

数年前まで室内のドアや引き戸はほとんど、造作建具として建具屋さんが作っていたものでした。

しかし、今はハウスメーカーはじめ、ほとんどの建築業者が建材メーカーの既製品建具を選びます。

一般的な既製品の建具は、表面に木目などの薄い塩ビシートを貼ったもので、いかにも木のように見えますが、質感や手触りは本物の木(この場合もムクではなく本物の木が薄くスライスされたもので練付と言いますが)と比べると問題になりません。

既製品(新建材)がここまで多くなった理由は、コストが安い、作業効率がいい、クレームがない、(あってもメーカーのせいに出来る)そしてなによりもプリントの加工精度が上がり本物の木に見えるからです。

使う側、つまり業者側からするといい事尽くめなのですが、同時に欠点も合わせ持つています。

ひとつは数年経つて隙間やいわゆる建て付けが悪くなつた時、調整することが出来ない事。
きれいに納めるため壁の中に引き込む、引き込み戸にする事は種類が限られ難しい事。
建具と枠がセツトなので、応用が利かない事。
年月が経つと表面が一搬的に塩ビシートに木目などがプリントされているだけなので、色が褪せてきたり、接着材が甘くなり剥がれてくる心配があります。







上の写真の面材は造作建具で使う化粧材とナラ練り付けにCLを塗装したものです。
室内の壁・天井やインテリアに合わせて選んだり、着色したりします。
例えば壁のオフホワイトに建具の色を合わせたいと思つたとき、造作ならたくさんの化粧材や塗装色から選ぶ事が出来ますが、既製品の色は限られてきます。(どのメーカーもホワイト系は一種類か二種類です) 建具のデザインも同じく融通がききません。

造作で作るいわゆるオーダーは、コストが高いうえ、施行業者がクレームを恐れて嫌がることは事実ですが、オーダーでも素材を選んだり、枠材をやめ吊り建具にしたり、塗装という作業工程を少なくする事によつて、随分コストを下げる事ができます。

さまざまな家を訪ねて、室内の建具をみると、そこに建主の家に対する思いと意思を読み取ることができます。

時代なのか、建築業者ばかりでなく学校の先生、医者、あらゆる分野でクレームを回避するノウハウばかりで、建築でいえば手作りやぬくもりの家造りから遠ざかつていくようです。


写真右側の引き込み戸は造作で吊り戸でタモ材、横格子、で透明のポリカボネート、引き手金物はスガツネ。

既製品で建具に繊細さや、やわらかさを求めても無理なので、既製品を使用してもリビングルームやダイニングなど何カ所か部分的にオーダーで作つても随分印象は違います。


二世帯住宅の玄関戸。米松の無垢材でオーダーで作つています。室内からも外の気配が分かります。 




 

東日本大震災復興支援チャリティーコンサート

  • 2011.12.22 Thursday
  • 18:08
愛と希望と祈りをこめて  クリスマス ファミリーコンサート

所属しているクラブの会員、坂本博士ミュージックスクールのチャリテーコンサートが行われました。
坂本ミュージュツクスクールの合唱、アンサンブル、声楽、ピアノ演奏を楽しみました。

そして坂本博士氏が大震災復興に思いをよせて、作詞作曲した新作、「絆」3部作が披露されました。






子供たちが一生懸命歌う姿にはいつも感動します。

音楽家、詩人、あらゆるジャンルの人が大震災の被災者や地域の復興のためになにかしようと模索しています。

建築設計をしている私もクラブを通して、高圧洗浄機や魚業の仮説事務所などの支援をしていますが、家を失つた人の5割が家の建設をあきらめているという話を聞くと心が痛み、また建築家として無力感を感じます。

 

M 邸 新築工事 敷地のおはらい 海の見える高台の家

  • 2011.12.19 Monday
  • 17:24
地鎮祭の前の地鎮祭

地鎮祭は本工事の着工時に行いますが、M邸は敷地が1000平米を超えるので、開発行為のための造成工事が行われ、ようやく完了しましたのでこの段階で、神主さんに土地のおはらいをしてもらうための儀式が行われました。

敷地は山の中腹で、街と海が一望に見える素晴らしいロケーションです。








住宅は4階建てなので、見晴らしはさらに素晴らしく、Mさんが何年もかけてようやく見つけた敷地です。

来年の春になりますが、建物の着工時に今度は建築工事の安全を祈念しての,地鎮祭が行われます。

 

O 邸 新築工事  小屋裏(登り梁)で豊かな空間をつくる

  • 2011.12.16 Friday
  • 11:50

小屋裏 登り梁

豊かな空間を創るためには、フルに小屋裏の空間を利用するため登り梁を使用します。

一般的に登り梁は、梁の高さが大きくなり構造的な納まりも工夫を要するため、構造材のコストUPを考え和小屋形式が多く、その結果せっかくの空間を利用しない場合が多いようです。

O邸の場合は写真のように、屋根全体に登り梁を使用し、空間の有効利用をしています。






2階建てですが、1階から最大高さは7・5mを確保しています。

鋼製建具が入り、これから断熱や間仕切り工事に入って行きます。




■ 一口メモ (これから家づくりを考えている方のための)

敷地が狭い場合や、仮に十分な面積の敷地であっても、可能な限りの有効な空間は確保したいものです。

一般的に初めて家を建てる方は、設備や仕様の要望はあっても「こんな暮らしや、空間に住みたい」という具体的なイメージを持っいていない場合が多い。

特に平面的ではなく立体的な空間の容積やボリュームについては、分からないので業者に任せてしまうケースが多いようです。

HMや工務店任せの場合は、お客様が主張しない限り、専門用語を用い、自社の経済性や効率性を優先してしまう場合が多いので、設計の段階でしっかり主張することが大切でしょう。




F 邸 新築工事 カーテン・ブラインド選び

  • 2011.12.14 Wednesday
  • 12:20
カーテン・ブラインド選択

造作工事が進み、家具や照明器具を選び具体的に室内のインテリアに移り、開口部のカーテン関係をどのように処理するかで、現場に業者に来てもらい、打ち合わせをし、その後Fさんご夫妻とショールームにご一緒しました。

窓をどのように処理するかは選択肢は様々です。
カーテン、レース、ブラインド(ロール、木製、シルキ、タテ型、和紙、籐、布)、カスケード式、等々。それぞれの長所と欠点があります。

開口部の大きさ、部屋の用途、床 壁 天井の素材や色によって何がいいのか決めていきます。

この場合も必ず小さなサンプルではなく、ショールームに行って実際に素材を見て、触って、質感や色や柄を確認することが大切です。






近づいたり、離れたりしながらイメージを固めていきます。日本は障子の歴史が長かったせいか、欧米の国に比べてカーテンや絵を壁に飾る歴史が浅く、一般的に不得手のようです。

出来れば設計の方か専門の方と一緒に見てもらった方がいいでしょう。



■ 一口メモ (これから家づくりを考えている方のための)

やさしいようで難しいのが、カーテンやブラインドの選び方です。失敗する方も多く聞きます。

着るものなら簡単に買い換える事も出来ますが、カーテン類は失敗したからといって高価なものですから取り替えるわけにはいきません。

出来れば壁の色と同系色でまとめる方が、部屋も広く見えますし落ち着きもでます。

暮らしが始まった時、家具や電化製品、インテリア類そして、様々な小物が置かれた状態を考えてカーテン類を選ぶことだと思います。

カーテンの布地だけを見て、さびしいから柄や色のデザインを主張させてしまうと、空間がうるさすぎて落ち着きのない部屋になってしまいます。

映画 「RAILWAYS」ー愛を伝えられない大人たちへー

  • 2011.12.10 Saturday
  • 12:32
進行中の現場の帰り、新宿ピカデリーで公開したばかりの映画「レイルウェイズ」を鑑賞してきました。

定年後夫婦で暮らす家は、どんな家が求められているかいつも設計の中で考えていますが、それも夫婦が円満でなければ成り立ちません。この映画は夫婦の関係性を含め興味がありました。


サブタイトルは ー愛を伝えられない大人たちへー この映画は定年退職を1ヶ月後にした主人公と妻の葛藤を描いています。

「家」作りも、家族の数ほどバリエーションがあり、夫婦のカタチもさまざまです。

定年後の節目には、これまでの家の住まい方や夫婦の向き合い方を振り返り、これからの暮らしや老後を過ごす家をリフォームや建て替えをする夫婦は、幸せな夫婦だと思います。

この映画の主人公は、自分の定年後の妻との生活は、自分の価値観や、自分の生き方のみを思い描いています。

主人公と同じように仕事一筋に生きてきた多くの男性に言えるように、妻にも同じように家庭の定年があつて、夫の定年を期にその後の自分の人生を思い描いていた事に、夫は全く気がついていない事が夫婦の破局を生みます。

長年お互いが向きあつて会話をしてこなかつたツケが、定年を期に吹き出してきたといえます。

相手を思いやる「会話」の大切さと、「自立」という大きなテーマを持つた映画でした。

お互いの気配を身近に感じ、会話が自然に生まれる空間は、意識して設計をしなければ生まれるものではありません。               

外壁タイルと外部床タイル

  • 2011.12.08 Thursday
  • 14:49
前回のブログでは外壁材について掲載しましたが、今回は外部に使うタイルの組み合わせについて考えます。

タイルは特に写真やカタログでは選ばず、必ずショールームか実際の現物を見て比較しながら選ぶことが大切です。

質感や素材感、手触りは実際に現物に触れないと分かりません。



このショールームは、INAX 新宿ショールーム です。



写真上部がボーダータイルで外壁に貼る予定。下は外部の床タイルです。

一般的にタイルは100、150,300角やモザイクタイルまた横に長い二丁掛タイルタイルがありますが、貼る面積、建物のプロポーションによって選択します。



■ 一口メモ (これから家づくりを考えている方のための)

タイルやレンガ、石材は高級感もあり、しかもメンテナンスフリーで時間と共に風格や味が出てきますので、外装材としていいのですが問題は金額の面でとても高くなってしまいます。

しかし仮に外壁面全部に貼ったとしたらどうでしょうか。メンテナンスフリーではありますが、家の印象がとても硬い印象を持ってしまうのも確かです。
家の外観としてやわらかさや温かさを出すのは、やはり木や塗り物系です。

そのことが分かっていても本物のタイルやレンガはコストの面で使えないので、石やレンガに似せた模様のサイデイングを使ってまでメンテナンスフリーに流れるのはどうかと思います。

外壁をリフォームする場合最も金額がかかるのは、職人が作業する足場費用です。そのことを踏まえ、素材を選択した方がいいと思うのですが。
ひとつの素材で外壁を統一する必要はありません。

外壁をツートンで素材を分ける、小さな中庭は温かな素材、玄関まわりは高級感のある素材を使うなど、バランスとメリハリがあり、しかも将来発生する費用を考慮した工夫も大切でしょう。







外壁材 について

  • 2011.12.05 Monday
  • 11:10
 外 壁 

外壁材は大きく分けると塗り物系とサイデイング材、タイル、石材、板材に分けられます。しかし、消防法やコストの面を考えると多いのは、下地にモルタルを用いた珪藻土、リシン、マジックコートといった塗り物系とサイデイング材です。

それぞれ特色がありますが、近年のお客様の要望がメンテナンスフリーを望まれることが多く、サイデイングを選ぶケースが多くなっています。

ハウスメーカーをはじめ工務店も効率、経済性、そして、ひび割れといったクレームを回避したいためサイデイングを選択します。

私もサイデングを使いますが、ほとんど写真のようなストライブやリブ状に限って使います。



サイデイング材の表面に施されたいかにも石や、レンガ、木に似せていても所詮サイデイングで、本物の石やレンガにかないません。
数年後は本物の材料は味わいが出てきますが、サイデイングはみすぼらしく色が退行していきますので、それが嫌でストライブ系しか使いません。

サイデングの良さと塗り物系の良さとコストのバランスを考えて、ツートンで考えることもいいと思います。


 

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< December 2011 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM