「風立ちぬ」・軽井沢・信濃追分・ 堀 辰雄 邸
- 2013.09.17 Tuesday
- 15:29
宮崎 駿 監督作品 アニメ映画「風立ちぬ」が話題ですが、私は毎年のように軽井沢に行くと軽井沢から、しなの鉄道に乗って、信濃追分にある「堀辰雄 文学記念館」に行きます。
この辺りは、混雑している軽井沢から離れていて、かつて川端康成や立原道造、室生犀星などの作家が別荘や住居として住んでいたところ。かろうじて当時の軽井沢が偲ばれる静かな場所です。
映画「風立ちぬ」は、ゼロ戦の設計者堀越二郎の生き様の中に、同時代に生きた文学者 堀辰雄の小説「風立ちぬ」に描かれている、薄幸の少女菜穂子との出会いと別れを合わせて作品化しています。
上の写真は、堀辰雄が晩年を過ごした家。いつもはひっそりとしているのですが、映画のせいか今年は訪れる人が多く、記念写真を撮っていました。
同時代に生きた詩人 立原道造は建築の大学を出て、東京の建築設計事務所に勤め、またいい小作品を残しています。 建築から離れ軽井沢で、堀辰雄らの『四季』の同人となり、美しい追分の風光を愛し、多くの詩を残しています。
結核で24歳の若さで亡くなりますが、建築の方でも才能豊かな建築家だっただけに、模型や多くのスケッチを残しています。
私が信州追分に惹かれるのは、そんなこともあるのかもしれません
庭の芝生から見る旧堀辰雄邸の淡彩スケッチ。 時間がなく20分ほどで描きました。
文学館の中には、この芝生で川端康成と談笑しているセピア色の写真が残されていましたが、スケッチをしていると、そんな情景が目の前に浮かんでくるようでした。高原にそよぐ風はもう秋の匂いでした。
東京に戻ってから映画を観ましたが、厳しい時代に翻弄されながらも、少年の日の夢、飛行機の設計に純粋にのめり込んでいく姿。 昭和初期の美しい日本の建物と風景。 いい映画でした。
映画のラストに流れる、荒井由実(ユーミン)の歌「ひこうき雲」。 懐かしく、しびれました。
- 日々是
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