祇園祭・後祭・宵々山
- 2014.07.24 Thursday
- 14:16
祇園祭・49年ぶりに復活した後祭の宵々山へ。
うだるような熱さの京都。関西に住宅を計画されているお客様が大阪と京都におられ、打合せの後、四条通から新町通りに入った路地に建つ、山鉾を見学してきました。
毎年のように観ていますが、山鉾が建つ両側には、以前はきれいな町家が並んでいたのが、年々確実に町家が少なくなっているのが実感されます。一度壊したら元に戻らない町家だけに寂しい気がします。
上上記写真は150年振りに復帰した大船鉾。話題性があるのか他の山鉾と比べるとかなり混み合っていました。巡行の日は、この大船鉾が10基の山鉾のしんがりを務めます。 24日は山鉾巡行ですが、私は日中の巡行より宵山のほうが好きで、夕暮れから駒型提灯に照らされた山鉾や街並みをそぞろ歩くのはとてもいい気持ちです。 上部の写真は、新町通りに建つ南観音の山鉾ですが、町内の子供達がかわいい声をそろえてろうそくを売る歌を歌っています。素朴で懐かしさを覚える光景です。そばで大人が団扇で子どもたちを扇いでいる姿は、なんとも微笑ましく、こんな風情が忘れられた日本の風景かなとも思えます。
時々京都の町家を更地にした敷地に、住宅設計の依頼があります。町家の造りは、間口が狭く奥行きが長い敷地ですから、中庭や坪庭、通り庭もあり、そんな現代住宅が求められます。
依頼が来るのは、私の事務所では中庭(坪庭)のある家の設計が多い事もあるのでしょうが、現代の住宅ですから、ガレージも必要とすることから、時として気が重くなることがあります。失った町家以上に街並みに合った現代住宅はありえないと思うからです。 正面を含めたデザインについては、そこに建築家としての解釈が入り様々なデザインが生まれます。京都の街を歩いているとどうしてこんな解釈が生まれたのかと憤りさえ感じることがあります。
私は住宅設計を続けていく中で、その場所にはその場所の文化の成り立ち、人々が暮らしてきた歴史、そして家族の想いがあると思います。その部分の読み取りを誤らなければ、設計においては大きな間違いはないと信じ、重い気持ちを振り捨て、いつか山鉾が似合う住宅を設計したいと思っています。
- 日々是
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