コラム「子ども部屋」

  • 2017.02.17 Friday
  • 17:23

「子ども部屋」についてのコラムは時間があいてしまいましたが、再開しました。住宅設計の現場からこれまで感じたことや私なりに蓄積した資料をもとに綴っていきたいと思います。ご参考にしてください。

 

コラム 「子ども部屋は子育てしてくれない」

 

設計の打ち合わせをしていると、必要な部屋の中で最も関心が高いのは、家族だんらんの場であるリビングルームと子ども部屋です。長年家を建てることを夢見、子どもに環境の良い部屋を与えることが親の甲斐性、という思い入れは分からないではありません。しかしそれは甲斐性ではあるかもしれませんが、子どもに部屋を与えることは「子育て」ではありません。

子ども部屋を与えることによって子どもは、勉強も部屋の整理や、また自己を自分で確立される訳ではありません。

親は子どもに部屋を与えて育てる以上、それまで以上にコミュニケーションやスキンシップなど、相応の工夫が求められることは当然でしょう。

むしろ子ども部屋は、成長を続ける子どもにとって、勉強部屋ではなく精神形成の場として考えることは大切です。

子ども部屋を与える段階で、「子どもの自己の確立」がどの程度なのかを冷静に考え、場合によっては与える部屋があっても与えず、時間をかけて見守ることも必要だと思います。そのことが子育てというソフトウェアであり、子どもの部屋はそのための手段、ハードウェアに過ぎないことを思い違いしてはいけません。ハードウェアはソフトウェアが働いて初めて機能することを忘れないでもらいたいものです。

昨今、有名大学や20代の医学部の学生による幼稚でかつ悪質な事件が続いています。勉強は優秀でも人間としての資質が欠落している原因の一つに、住まいの中での親との距離や育ち方に問題があるのは当然ですが、子ども部屋の考え方と過ごし方が影響を与えていることは間違いありません。

 

(子ども部屋の考え方のほか物理的な広さの問題、住まいの中での位置関係、装置など今後のコラムで考えていきたいと思います)

 

※ 文章構成上の都合で分かりにくい部分もあると思います。疑問、不明の部分はメールにてご連絡ください。

 

 

N邸週末住宅新築工事

  • 2017.02.07 Tuesday
  • 11:38

N邸 週末住宅新築工事

 

写真でもわかるように、Nさんが週末に訪れ心行くまで海を着て過ごすための、最小限の広さの家です。地鎮祭と遣り方が終わり、いよいよ本格的な工事が始まります。

 

地盤を固めています。この作業が終わったら防湿シートを貼り、スラブ筋を配筋していきます。間取りの壁芯にそって型枠を組むため、鉄筋を立ち上げて行きます正確なピッチで鉄筋を組んでいきます。地盤からの高さや鉄筋のかぶり具合など、コンクリートを打つと全く隠れてしまうだけに、念入りにチェックします。現場での打ち合わせが終わりふと海をみると、美しい夕焼けの彼方に、富士山よ多摩連山ののシルエットが見えました。

K邸新築工事 地鎮祭

  • 2017.01.25 Wednesday
  • 16:33

K邸 新築工事  地鎮祭

 

小高い丘の敷地からのロケーションは素晴らしく、設計スタートからこの雄大な風景をどう室内空間に取り入れるか、Kさん家族の要望でもあり、設計の大きな課題でした。6年前から設計が始まり、途中数年の中断や大幅な変更もありましたが、冬の晴れ間のこの日ようやく地鎮祭の日を迎えました。

西から北へ緩やかな山の稜線が連なり、四季の変化がとても美しい。

晴天でしたが朝小雪がちらつき、風が強く凍えるばかりの寒さでしたが、Kさん家族にとって待ちに待った地鎮祭で、設計者ともども感激し、工事の無事完成を祈りました。

ご主人の鍬入れの儀。

子どもさんも一緒に玉ぐしをあげ、二礼二拍。地鎮祭から工事の完成までのプロセスをしっかり見てほしいものです。学校では体験できない貴重な体験教育と、いい思い出になるはずです。

 

N 邸新築工事

  • 2016.12.06 Tuesday
  • 16:00

N 邸 週末住宅

 

山の斜面の敷地なので、地盤調査の結果を心配していたのですが、問題ありませんでしたので、地業工事がスタートしました。糸で建物の芯をだし、掘削していきます。

これからの作業は、底盤スラブの配筋をし、型枠を組んでいく作業になります。 12月になって思いのほか暖かい日が続き、ここ安房勝山は東京とくらべ3度ほど高く、春のような日差しでした。

秋の絵画展

  • 2016.11.19 Saturday
  • 17:21

秋の絵画展

 

「芸術の秋」という言葉通り各地の美術館や画廊で、作品展が開催されています。私の所属している、山王絵画倶楽部や交詢社洋画同好会もグループ展があり出展しました。

京都 鴨川から先斗町を見る 

街の中心を流れる鴨川(かもがわ)は、京都市民の憩いの場。しだれ桜越しに見る川の流れ、恋人たち、時代を感じさせる先斗町の料亭。描いてみたいスケッチポイントでした。     

京都 嵐山の秋

錦繍(きんしゅう)に彩られた嵐山と、川面に映し出された紅葉の紅い色は、日本の故郷の象徴のようで、心を奪われました。この景色の少し先に渡月橋があります。

京都 ビルに囲まれた商家

街を歩いていて思わず立ち止まったアングルです。角地に建つ商家は、後ろの現代建築に負けない存在感があり思わずスケッチしました。今でも和菓子屋として健在で、赤いポストが可愛く印象的でした。

京都 三条通り高倉

街を歩いて目を引くのは、町屋や社寺仏閣ばかりではありません。正面の赤いレンガ造りのクラシックな建物は、旧日本銀行京都本店で現在は市民博物館です。保存され、再生され街に同化されているのも京都の魅力です。

後ろに京都を代表する珈琲店「イノダ」三条店があり、スケッチに疲れるとよく入りました。俳優の高倉健がよく通った店だそうです。     

N 邸週末住宅 新築工事

  • 2016.11.09 Wednesday
  • 14:11

N邸 地鎮祭

千葉房総半島に、Nさんが長い間海を見ながらの暮らしを考えていましたが、設計も完成しようやく地鎮祭の日を迎えることができました。

晴天の日は東京湾の先に富士山や三浦半島も見える素晴らしい眺望の場所です。長年の夢でもあった定年後の海を見、畑を耕しての生活。先日の打ち合わせでは浜辺も近いので、カヌーもやりたいとのこと。

神主の祝詞を聞きながら、豊かで実りある暮らしが実現できるようそして、いい家ができることを願わずにはいられませんでした。

コラム  子ども部屋

  • 2016.09.10 Saturday
  • 15:09

 コラム  「子ども部屋」

 

昨今、青少年や成人した20代の犯罪がクローズアップされています。最近の事例でも、東大生グループによる女子大生暴行事件、15才〜17才の5人の青少年による東松山高校生殺人事件。22才の女優の息子による強姦拉致事件など、残忍性や陰湿さにおいて際立っています。

いずれにしても、人間形成や自立が未熟だったことは間違いありませんが、一人の人間が犯罪に走るまでには、成長過程において様々な人生縮図があったはずです。

両親との関係性、親の離婚、家庭環境など。どんな愛情や教育を受けて育ったのかは、子どもにとって極めて大きな影響を与えるはずです。同時に育った家族空間や、心落ち着ける居場所がどうであったかも、精神的に影響を与えます。

 

また子どもが引き起こす事件ばかりではありません。夫婦間の争い、自殺の増加、ひいては高齢者問題においても、実は一般の方々が思っている以上に、「住まい」が深くかかわっています。にもかかわらず、子ども部屋に関して言えば、個室の与え方や、考え方は無造作すぎるように思います。

子どもの成長過程において、個室を与えることはよしとしても、いつ与えるのがよいか、どんな部屋がよいか、どんな与え方をすれば、といったことになると自信を持って答えられる親はいないようです。

「自立」をさせるために個室を与えるという理由は共通していますが、「個室」を与えるだけでは自立も精神的成長も期待できないという結果が、先の青少年の犯罪が物語っています。

幼児期のテリトリー形成期や、子どもの成長過程のよりどころになるリビング・ダイニングなどの家族空間のあり方は、大きく人間形成に影響を与えるだけに、失敗しない家づくりをしてもらいたいものです。

 

 

※子ども部屋についてこれまで設計してきた事例も含み、下記のテーマで月2回ほどのペースで掲載していきます。

興味のある方は読んでいただければ幸いです。 (掲載の順序は変わりますので了承ください)

 

● 家じゅうが子ども部屋という考え方  ● 「いつから個室」、「どんな個室」   ● 創造性と夢を育む子ども部屋とは

● 子ども部屋は子育てしてくれない   ● 「中庭」と子どもの居場所           ● 子ども部屋以外の子どもの居場所

● 「家族の気配」がわかる子ども部屋 ● 川の字の寝室からいつから個室 ● 子どもをダメにする個室の考え方

● 子ども部屋の広さは3帖で十分か  ● 子ども部屋とリビングの距離感      ● 成長に合わせて変る子ども部屋

 

京都・下賀茂神社「糺の森の光の祭り」

  • 2016.08.25 Thursday
  • 17:56

下鴨神社でライットアップ  「糺の森 (ただすのもり) の光の祭り」

 

今年の夏休みは京都で過ごしました。毎年恒例の16日「大文字送り火は」大雨のためきれいに見ることができず残念でした。京都の夏は、様々な行事やお祭りがありますが、下賀茂神社で今年初めて開催された、「糺の森の光の祭り」に行ってきました。

 

デジタルアート集団「チームラボ」が手掛けています。糺の森の中の参道沿いの樹木や、楼門内がライトアップされ、その光の色は人の動きによって変化し、音が鳴ります。その音色は、低くやわらかで、幻想的な音色と光の演出でした。

 

糺の森は、私は好きでスケッチや散歩によく訪れます。森の中には、水のきれいなせせらぎもあり、特に好きなのは5月の新緑の季節です。したたるような新緑の緑と、神社の朱の鳥居や本殿が緑に映えて、心が洗われるようです。

歩く道も舗装された道ではなく、土の道で歩く感触もやわらかく、気持ちのいいものです。

 

世田谷区民祭り

  • 2016.08.11 Thursday
  • 20:37

第39回 世田谷区民まつり

 

毎年8月の第一週の土、日に行われますが、今年は6日、7日に行われました。最高気温35度の猛暑の中、私も住宅相談やリフォーム相談員としてお客様の対応をしました。

お神輿や、全国から集まった物産展は、毎年ながら活気のあるものでした。毎年2日間で約20万人を集めようやく定着したように思いますが、会場の馬事公苑は4年後の東京オリンピックの乗馬競技会場に決まり、様々な施設の建設のため、区民まつりは今年で一旦終了になりました。

緑が豊富で公園も多い世田谷区でも、こうした区民に定着したイベントを代わりに開催できるスペースがないことは、さびしいものがあります。

「家の配置」の考え方

  • 2016.07.29 Friday
  • 13:05

[住まいのパンセ第3話]       「家の配置」の考え方 (コートハウス・中庭のある家) 

 

同じ敷地面積でも、「家の配置」によって、居心地の良さや広さの感覚も大きく変わります。一般的に間取りを考えることには時間をかけますが、家の配置については、ガレージや、門扉の位置を決めたら、残ったスペースが家と、かなり安易に考えがちです。

 

その結果室内の面積を広く取れば取るほど、前面スペースが狭くなり、家から見えるのは他人の家であり、庭もプライバシーが損なわれ、有効利用はできません。

このように前面を空け、家を後ろにセットバックする建て方は、ある歴史学者によると、日本人が農耕民族であったなごりだと指摘しています。確かに自然を相手に農耕を主としていた時代は、季節の移り変わりや、天候を判断するには、敷地に対して家の前を空けることは、利にかなった建て方だったに違いありません。

しかし、現代の日本の住宅地のような小さな敷地では、有効でないどころか、前に3階建てでも建てられれば、窓さえ開けられず、太陽の日も入らず、お昼でも電灯を点けざるを得ない状態になってしまいます。事実、もっと外の建て方は無かったのかと後悔されている方も多いようです。これらの問題のほとんどは、敷地に対する家の配置と設計の工夫に問題があります。

 

設計の工夫によって、積極的に敷地の狭さをカバーし、太陽の日を確保し、近隣からのプライバシーを守る方法の一つに「家の中から我が家を見る」という設計手法があります。敷地に対して、家をL字型、コの字型、ロの字型など、共通しているのはどの形も敷地をフルに使い、節約したスペースを、中庭にあてるという、建物が外に開くのではなく、内に開くという建て方です。狭い敷地でも設計の工夫によってコートハウス・中庭住宅は可能です。

コートハウス・中庭住宅は、太陽の日、風通し、近隣からのプライバシーが守れるばかりではありません。下記にメリットを記載します。

 

・豊かさ: 子供の遊び場、リビングの延長としてパーティ、バイキング、家庭菜園、楽しい暮らしの幅が広がります。

・広がり: 中庭を建物内に取り込むことによって、対角線に目線が通り、実際の床面積以上の広がりが実感できます。

・運 動: 中庭の空間はゴルフの練習や運動に最適ですし、高齢者のウォーキング、リハビリ訓練に利用できます。

・耐 震: 中庭形式の場合、柱も多く、囲まれた外部空間があるので、一般的な住宅に較べ耐震性に強いといえます。

・癒 し: ストレスや喧噪に満ち溢れた現代社会。中庭空間は自身の居場所として、安らぎを取り戻す場としても有効。

 

文章で書くと固い表現になりがちですが、中庭越しに、自分の家の他の部屋の明かりが見えたり、その中で働いている家族の姿を見るのは、楽しいことでないはずはないという、人間の心情を利用する方法でもあります。  

 

 

 

 

 

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